外資系企業への就職や転職の場合だけではなく、日本企業に所属している場合でも外交人との交渉や外国人への英語プレゼン、海外出張あるいは海外転勤など、英会話が必要な場面はどんどん増えています。
その際悩むのがどこまで英会話力をつければビジネス上支障がないかという点と、どのようにその基礎力を身に付ければいいのかという学習法でしょう。
そこでここでは、初級のビジネス英会話の内容と、基本的な語学習得の語学学習法についてご紹介します。
ビジネス英会話はどのレベルまで必要?
ビジネスレベルの英語に必要なTOEICの点数は?
ビジネス英語だけではなく、英語力を測る指標としてスタンダードなのがTOEICですが、このスコアがどの程度であれば、ビジネスレベルだと言えるのでしょうか。
TOEICの公式サイトではそれは730点以上となっていますし、英語を使う仕事での転職時の採用条件などでは800点以上などと記載されています。
しかし、実際に900点を取っている人でも全員がビジネス場面で英語で良好にコミュケーションをとれているかと言えばそうではありませんし、逆に600点程度でもしっかり外国人との商談をまとめている人もいるのが実態です。
そういう意味では、TOEICは語学力としての英語力を評価する指標ではあるものの、それ以外の要素の入るビジネス英語のレベルを示す指標としては、完璧なものではないということでしょう。
実際に何ができればビジネスレベルの英会話力があると言えるのか?
実際の仕事で必要な初級のビジネス英会話力は、業務内容にもよりますが、おおむね以下のようなことができればそのレベルに達していると判断できます。
- 英語での電話に問題なく応対できる
- 日本語ができない外国人の来客に適切に応対できる
- 英語のビジネスレター、英語メールを問題なく読み書きできる
- 英語を中心に使う会議で通訳を使わずに参加し意見が言える
ビジネス英会話でよく使うフレーズ28選
それでは、そのようなよく使うビジネス英会話のフレーズをシーンに分けていくつかご紹介します。
初対面にて
1 Hello. It is a great pleasure to meet you!(こんにちは。お会いできて光栄です)
再会の場合
2 How are things going with you lately?(最近お元気でしたか?)
自己紹介の場面で
3 I am in Sales development.(営業部に所属しています)
4 I am the manager of this plan.(私がこの計画の責任者です)
英語がまだ初級レベルの時に、こういう表現もあり
5 I’m sorry,but I’m still learning English. So please speak slowly.(申し訳ありませんが、私はまだ英語の勉強なので、ゆっくり話していただけませんか?)
新しい職場などに赴任したとき
6 Where can I find the bathroom?(トイレはどこにありますか?)
7 Where are we meeting? (会議はどこで行いますか?)
8 Where can I leave my coat?(コートはどこにおいたらいいですか?)
同僚と親しくなるために、社交辞令や雑談も必要
10 I love your necklace . Where did you get it?(あなたのそのネックレスは素敵ですね。どこで買ったんですか?)
11 I can’t believe how hot it is today! (今日はすごい暑いですね!)
12 Let’s get a coffee sometime.(今度コーヒーでも飲みにいきましょう)
13 Let’s grab lunch. (お昼を食べに行きましょう)
ここまでが、初対面や新しい職場での挨拶やなじむための英会話です。ここから、仕事上で使うフレーズです。
英語で電話を受ける
14 Hello. This is XXX company.(はいXXX会社です)
15 Can I help you ?(ご用件を承ります)
16 Whom would you like to speak to ?(どなたをお呼びしますか?)
17 May I ask who is calling ?(どちら様でしょうか?)
18 May I have your name again, please ?(もう一度お名前を伺ってもよろしいでしょうか?)
19 Hold on, please.(少々お待ちください)
20 He is out now.(彼はただいま外出しております)
21 Would you mind calling again tomorrow ?(明日またお電話いただけますでしょうか?)
会議で同意や不同意を伝える。外国人相手の商談やミーティングの場合は、意思を明確に伝えることが重要です。
22 <同意の場合>I agree with you on that point.(その点についてあなたの意見に賛成です)
23 <同意の場合>I think that we should go ahead with this plan.(この計画で進めるべきだと考えます)
24 <不同意の場合>I am afraid I can’t agree with that. (残念ですが賛成できません)
25 <不同意の場合>You have a point there, but I beg to differ with you.(あなたの意見にも一理ありますが、残念ながら私の意見は違います)
お礼をしっかり言って別れる
26 Thank you for your time.(貴重なお時間いただき、ありがとうございました)
27 I should be the one thanking you.(お礼を言うのは私の方です)
28 You have been a great help. Thanks a lot!(本当に助かりました。ありがとうございました)
この28個のフレーズを基本に応用していけば、少なくとも初級のびじねす英会話としては通用するでしょう。
ビジネス英会話のおすすめ学習法
上で示したフレーズは初級の初級です。ビジネスで英会話を駆使して、交渉したりディスカッションしたりするためには、もう1段上のスキルが必要です。
世の中には、そのためのいろいろな学習法がありますが、その中の1つをご紹介します。
まず「耳」を英会話仕様にチューニングする
特に独学で英会話を習得するうえで、苦戦するのがネイティブの発音が聞き取れないことです。ここを乗り切るには、脳みその中の日本語の理解回路を壊し、ネイティブの耳の感覚へ脳の中身を英語仕様にチューニングすることです。
こういうと難しいですが、方法は以下の通りいたってシンプルです。
まずは会話の最初の3語のみに集中しましょう。意味は無視してかまいません。なぜ「最初の3語」が大切なのかというと、英語では最初の3語に主語と動詞が含まれるパターンが基本だからです。たとえば
Did you play baseball in the park?(あなたは公園で野球をしましたか?)
この英文では、最初の3語は「Did you play」です。「in the park」が聞き取れなくても、「Did you play」が聞き取れれば「プレイしたかどうかを聞いているな」と分かり、答えたり、質問したりできます。
この方法は以下のステップで行います。
第1ステップ
日本語に訳さないで、ひたすら聞くことです。英語の意味を理解する努力は捨てて単に音だけとらえ、あとは無視してください。
これを1日10分行い、2週間から1か月間続けると、不思議に英語が言葉として聞こえるようになってきます。
第2ステップ
英会話を単語単体で勉強せず、英文を丸暗記する方法で覚えることです。
これは難しそうですが、逆にいったん覚えてしまえば忘れることがなく、英語が脳に吸収されるようになります。
第3ステップ
英語を理解しながら聞くという段階です。方法は、30分くらいの短い海外ドラマをレンタルやダウンロードなどで入手します。
SFなどは普段の英会話で使わない表現が多いので、ファミリードラマがよいでしょう。そしてそれをまず日本語の吹き替えで内容を把握します。そして次に英語のみで再度を見ます。
その際、映像、イメージ、状況と英語がリンクして理解しながら見るようにします。これを1日30分で1か月間程度実践します。
この3つのステップで、英語仕様に耳をチューニングできるようになります。
英会話レッスンの選び方
このように独学では続ける自信がない人は英会話教室に行くのもよいでしょう。しかし問題はその選び方です。
ビジネス英会話という明確な目的がありますから、それに完全に合致したシステムと内容、講師を揃えたところを選ぶのが肝心です。
そのためには以下のポイントで選別していきましょう。
1 料金表を確認する
一括で払うチケット制やクレジット利用などの場合は、仮にそのスクールがつぶれたりした場合や途中退学した場合に、保証や残金返却が可能なのかをチェックしてください。
2 通勤圏内に英会話スクールがあるところを選ぶ
英会話スクールの挫折理由の大きな1つが「通えない」ということです。その意味で、勤務先の近く、自宅の近く、通勤途中のどこかにスクールがあるかどうかが大切です。
スクールによっては、カルテが管理されていて、どこでも受けることができる場合もあります。またオンラインレッスンなど、自宅で補習が受けられるスクールもあります。
3 ビジネス英会話コースがあるところを選ぶ
目的はビジネス英会話ですから、英語での交渉、英語でのプレゼン、英語での出張時の日常会話などがレッスン内容に入っているコースがあるところを選びましょう。
4 マンツーマンに対応しているところを選ぶ
ビジネス英会話の英語レッスンの場合は、複数の生徒を相手にしたグループレッスンや多人数レッスンではなくマンツーマンレッスンがベターです。
グループレッスンの場合は、生徒間にレベルのバラつきがあり、また十分に会話の練習ができないため、習得効果に期待ができません。
グループレッスンに比べてレッスン料が高くなりますが、やはりマンツーマンレッスンを選びましょう。
またこちらのレベルに合わせて学習プランを立ててくれるカスタマイズレッスンがあるスクールであればなおよいです。
5 ネイティブ講師のレッスンを受けられるスクールを選ぶ
日本人スタッフや日本人カウンセラーなどでも、ネイティブ並みに英語が話せる講師もいますが、その場合いざとなったら日本語で質問できるという安心感があるので、緊張感の度合いが低くなります。
何としても英語でコミュニケーションをとらなければ、という切迫した環境で英語を話す方が実戦に近く習得効果が高いので、外国人教師や外国人担当者に担当してもらえるところを選びましょう。
6 体験レッスンを受講して決定する
どのスクールでもほとんど無料体験レッスンを受けられるようになっています。少なくとも候補のスクールを3箇所以上、体験レッスンを受けてから決めましょう。
ただし、体験レッスンをする講師は優秀なベテランである場合が多いです。実際に入塾したら、ほかのレベルの低い講師だったという場合もあり得ます。その点については、事前に確認しましょう。
また、受講する時間帯やエリアによってレッスンの雰囲気やレベルも違うので、いくつかのスクールを受けるにしても、同じ曜日、同じ時間、同じレベル、のレッスンを受けましょう。
まとめ
いかがですか。
ここまで、ビジネス英会話の力をつける方法をご紹介してきましたが、しかし大前提として理解しておきたいのは、あくまで英語はコミュニケーションツールである、という点です。
ビジネス英会話に必要なのは、ネイティブのような美しい発音や気の利いた表現ではありません。
「英語はきれいだが、内容が陳腐だし、何を言いたいのか結論がわからない」というのでは、ビジネススキルとしては役に立ちません。
重要なのは、話すべき内容、話の結論、自分の意思を明確に伝えることです。そのためには、わかりやすい発音、わかりやすい表現を意識しましょう。
そしてもちろん、相手も同じ人間ですから、まずは信頼関係を作ることが重要です。そのための笑顔や挨拶、ちょっとした気配りや親切など、人としての付き合い方の基本をしっかりすることが大前提です。
以上ができれば、初級のビジネス英会話としては十分に仕事を進めるに耐えられるものとなるはずです。