トークが下手…これは現代社会においては、かなりマイナスポイントかもしれません。昨今、必要とされる人材は“コミュニケーションスキルの高い人間”です。
はっきり言って、仕事の能力云々よりも、人とうまくコミュニケーションがとれる人間の方が出世できる時代となりました。
さて…ではトークが下手な人が生き抜く術はないのか、と言えばそんなことはありません。実は、自分から話す能力よりも重要なのは、“人の話を聴く能力”だったりします。
この“人の話を聴く能力”は、会話のセンスとか才能、ということは必要なく、練習や訓練でどうにでもなるものだ、ということをご存知ですか?
自分からトークするのが苦手な人は必見!今回は、“相手の会話を途切れさせない会話術”をご紹介します。
1、主役は相手です
トーク下手な人にとって、辛いのはもしかしたら「会話の間」かもしれません。「何か言わないといけないのかな」という空気です。
もしそんな間がやってきたときに、「自分の話をする」のか「相手に何か質問する」のか、どちらを選択しますか?
今回ご紹介したい会話術に関して言えば、後者の「相手に何か質問する」を選択していただきたいです。
というのも、「相手にトークをさせる」ということが主旨のため、こちら側の気持ちは「あなたのことが知りたい!あなたに興味がある!もっとあなたのことを教えて!」というスタンスで臨むのが基本です。
ここに「私はこういう人間です!私のこともっと知ってください!」という要素は一切必要ありません。トークの主役を相手に譲り渡す。これがこの会話術の土台です。
2、自分のトークを封印しろ!
また、人には自分のテンポや、自分の持っている間合いというのがあるかと思います。確かに、自分の好きなリズムで会話できたらスムーズですよね。
とは言え、トーク下手の自分に合わせて会話してもらったところで、どんな空気になるかは想像に難くないはずです。
自分はホスト(もてなす側)、相手はゲスト(もてなされる側)。ホストはゲストを立てなければなりません。そこで、相手に良い気分になってもらうためには、自分のトークを封印します。
相手が「ここで頷いてもらいたい!」というところで頷き、反応するべきタイミングで反応する。また、「ちゃんと聞いて理解できていますよ」という意味をこめて、たまに質問をする。
ここには、聴く側のアイデンティティは不要です。「そうなんですね!」「へえ!」「ああ、そういうことなんだ」「なるほどね」など、相手のタイミングに合わせて反応してあげることで、相手の気分もよくなります。
ここで押さえておきたい会話術の基本は、“自分のトークを封印して、相手に完全に合わせる”ということです。あくまで「相手に良い気分になってもらう」ということを目標に進めていきます。
3、流されるな!コントロールしろ
相手にトークさせる…とは言え、相手に合わせるだけでは、「話を聴いてくれる人なら誰でもいい、壁に向かって話しているのと同じ」と思われてしまいますよね。
会話を途切れさせない会話術、としては、ここは「ああ、この人はわかってくれそうだから、もっと話がしたいな!もっと話を聴いてもらいたいな!」と思ってもらうことが大切。
そのため、相手のリズムで話を進めながらも、舵取りを任せてしまってはいけません。ラジオを聴く人ならよくわかるとは思いますが、いくらゲストが来てもDJの立場まで乗っ取られることはありません。
どこで曲が入り、どこでジングルが流れ、CMに入るのか…などの、重要なポイントはDJが仕切っています。
相手も、実は「自分はゲストだから」という立場だからこそ話がしやすいという気分になります。そのため、話の流れは聴く側がコントロールしなければなりません。
そこで、質問を多様しましょう。相手に興味があれば、質問は尽きません。「その後どうなったの?なぜそのときそう思ったの?」など、相手の話を遮らない程度に質問します。
また、逆に質問された際は「俺の話はいいから」と拒否せず、端的に結論だけを述べてマイクを返すようにしましょう。
4、トーク下手のマウントポジション
しかし、この会話術には落とし穴が…。最近、「自分はトーク下手です」と自覚のある人が増え、聴き役に徹する人も増えています。
ということは、聴き役VS聴き役となってしまうと、やっぱり会話に詰まってしまうんです。ということで、お喋りな人に話をさせるのはとても簡単ですが、自分の話をしたがらない人とは会話が進みません。
そのため、もし相手が“まったく自分の話をしたくない人”であれば、無理に聞き出すのをやめて、無言の間を楽しみましょう。
会話は「話し続ける」だけではありません。相手の反応や呼吸、その時の状況に合わせるものです。あとはたくさんいろんな人との会話に参加して訓練するのみです。