男35歳。もう結婚して子供が生まれた人もいるでしょう。独身のまま結婚を面倒に思う人もいるでしょうし、心機一転、転職を決意した人や独立した人もいると思います。
これから40代に突入するときに考えるのは、「攻めで行くか、守りで行くか」ということだと思うのですが、身近にいる40代男で「こうはなりたくない」という悪い例もたくさん転がっています。
むしろ「こうなりたいな」と思える、理想の40代は少ないのではないでしょうか。なりたくない側の人間にはならず、目指す方向に進むために、今までの人生を振り返り、見直すことが大切かもしれません。
今回は、35歳前後の男性に向けて、これから40代に向かって進むために「“人生を見直す”ことのすすめ」のお話をしたいと思います。
1、なりたい自分になれているか?
35歳、と言えば「まだまだ未熟者」でもなく「もう手遅れ」でもない年齢です。ある程度人生経験は積んでいますし、成功も失敗も見てきたことでしょう。
また、そろそろ“自分のやり方”みたいなものを見つけて、生きるのが楽しくなってきた人も多いと思います。仕事も慣れて、安定を求めているでしょうか。
高校卒業の頃に思い描いていた「なりたい大人」になれていますか?今の自分と昔の自分が対面して、恥ずかしくない大人になれているでしょうか。
ほとんどの人が「想像していたのとは違う」と思うかもしれませんが、「それなりにうまくいってる」とか「まあまあかな」と思うのなら、きっとそれでいいのでしょう。
“あの頃の自分”に再会して、「お前みたいな大人になりたくない」「こんな恥ずかしい生き方してるのか」と叱咤されるようであれば、今いる場所が間違っている、ということかもしれません。
2、“絶対安全”はないからこそ
たとえば日本国内で「絶対安全な場所」はあるでしょうか。35歳、成功を実感している人も、失敗を感じている人も、今がすべてではありません。
歩道を歩いていても、自動車が突っ込んでくる可能性があるように、地震や火事や事件・事故があるように、この先、どこで何があるかわからないものです。
「今の会社が安住の地だ」とか「今、自分の家庭を持って安定している」「自分の家を建てて一国一城の主になった!」と、ほっとした瞬間、足元をすくわれます。
今まではただ、ラッキーだっただけです。本人の努力もそうですが、立場や状況と、幸運があったからここまでこれたはずです。自分に過信があったのなら、見直すべきです。
今後には絶対安全はないからこそ、自分磨きを怠ってはいけないし、家族も大事にしなければなりません。
振り返って「今まで自分はラッキーだった。今後ラッキーはもうないかもしれない」と思える男は努力するでしょう。そして、その努力はおそらく死ぬまで続けなければならない努力のはずです
3、人生を失敗する40代
今はまだいいです。これから40代に入ると、状況は一変します。30代は「まだ若造」と言われて、中途半端でも笑って済まされていましたが、見直すことを怠った男は、40代に入ると冷たい視線を受けることになります。
たとえば、40代で定職に就かず、家族もおらず、貯金もない男は、ここから人生逆転するなんて無理な話です。
不幸かどうかは置いておいて、いくら一発逆転を夢見たところで、せいぜいギャンブルに走るのがいいところでしょう。
地道な努力を笑う男が、40代で失敗します。人に感謝することを忘れた男が、40代で失敗します。30代で孤独に恐怖を覚えなかった男が、40代以降、本当の孤独を味わうことになります。
これは、「ちゃんと就職しろ」とか「結婚したほうがいい」と言っているのではありません。今後、どんな場面が訪れようとも、今まで周囲にしてきたことが、今度は自分に返ってきます。
もし、40代を楽しい時間にしたいのであれば、今35歳のうちから“人にしてもらいたいことを相手にできる人間”でいなければなりません。
人間は劣化を免れません。体も今までのようには動かなくなります。だからこそ、人間関係を大事にして、今の状況に感謝し、生活できることに感謝することです。
私が見てきた「残念な40代以降を過ごす男性たち」の多くは、自分や周囲の人を蔑ろにしてきた人でした。
大切なことを大切なこととして扱えないままでは、宝石をゴミ箱に捨ててしまうようなものです。考え方や、今までの概念を見直す機会のなかった人たちが、陥ってしまう地獄です。
人の忠告を聞けているか。感謝の言葉は言えているか。目上の人に尊敬しているか。目標をもって生きているのか。
攻撃こそ最大の防御です。今の状況に甘んじることなく、周囲に感謝を振りまきながら、もっと前に進んでいかないと、失う代償は大きいものとなるでしょう。