これからパパになろうとしている男性の多くは、実感もあまりなく、すでに母親の顔になりつつあるパートナーを見て、取り残された気分かもしれません。
また、「一家の大黒柱としての責任を!」とか、「父親として恥ずかしくない姿を!」という重圧や、抱っこに着替えにオムツ替えなどの作業ができるのか、という不安も抱えているでしょう。
「パパになるってどんなことなんだろう」という実態を掴めないまま、悶々としている状況は、真綿で首を占められているようです。
さて、では“パパになること”は怖いことでしょうか。また、それは辛く苦しいことでしょうか。今回は、親になる不安を捨て去るためのヒントをご紹介したいと思います。
1、父親にできること・できないこと
なんでもそうですが、何かが始まる前は不安だらけです。不安を感じる、ということは「まだ何も始まっていない失敗や事故を想像して苦しんでいる状態」です。
つまり、子供が生まれる前から「娘が嫁に行くことを想像して泣いている父親」みたいなことです。
男親にできることは、実は限られています。子供が生まれ、成長していく上で、親なんて手助けくらいしかしてやれません。喋るのも、歩くのも、全部本人が頑張るしかないのです。
今、もし「パパになるのが不安」と思っているのなら、あなたは「この子の全部を面倒見なければ」と考えているのではないでしょうか。
ハッキリ言って、男親にできることは少ないです。出産するのは父親ではありません。授乳してあげられるわけでもありません。今は、“自分のできることに専念し、できないことを考えない”ことが重要です。
2、不安に思って正解
父親になる前に不安に思っているのなら、それは正常なことかもしれません。実際、父親になるのが怖くなって逃げ出す男もいますし、現実逃避して育児参加しない男もいます。そこから逃げ出そうとして浮気やギャンブルに走る人も中にはいます。
そういう最低な男でないのであれば、今は不安や期待で胸がいっぱいでいいのだと思います。
人生には何度かそういう場面があります。学校の入学、バイトの面接、新社会人などなど。歯医者の治療で不安になる人もいるでしょう。
でも、どうでしょう。それらの不安は、実際始まってみると嘘のように消えてしまいます。目の前のことに一生懸命になっているときは、不安を感じていないからです。
今、不安に感じているのは、もしかしたら良いパパになれる可能性がある、ということかもしれません。でも、良いパパになる必要なんてありません。
これからやってくる課題を、ひとつひとつクリアしていくことだけ考えていればいいのです。
3、ピンチはチャンス!
「お母さんの方が大変なのよ!」「父親はお金だけ稼いでればいいのよ!」「もっと男らしく堂々としてなさい!」「そんなことで父親になれると思ってんの!?」
まあ、世の中からは厳しいお言葉を頂戴することもありますよね。でも、周囲を見てください。子連れの家族などを見ても、父親は大変そうですか?
父親になるには特別な資格は必要ありません。感覚としては、「年の離れた兄弟の面倒を見る」くらいでいいのだと思います。
責任は確かに重大なのでしょうが、それは家族がいてもいなくても同じことです。誰だって責任は大なり小なり背負っています。
逆に、今までたくさんご家族を見てきましたが、「俺が父親だ!」「父親としての行動を!」と気負っている男性のほとんどは、空回りしています。
なのでやはり、「年長者が年少者の面倒を見てやる」とか「先輩と後輩」くらいの感覚で接していくことが一番自然なんだと思います。
「どうしよう!俺なんかがパパになれるの!?」と怖がらないでください。このピンチはチャンスです。そして、越えられない試練は存在しません。
今まで多くの男性が乗り越えてきた壁です。自分だけ乗り越えられないわけがありません。壁を目の前にして逃げ出す男にさえならなければ、想像以上のご褒美が待っています。
4、パパ業なんてしなくていい
実は世の中にある“父親像”は、人によってそれぞれ違います。そのため「これさえやってれば間違いない」みたいな、マニュアル的な“パパ業”は存在しません。
パパに必要なのは、その時、その場に応じた柔軟性であったりします。ママの方が強いですよね?そのため、ママに従うことであったり、ママをよく観察してママの真似をすることだったりもします。
また、今は共働きの家庭が多く、男女平等なので、家の中で威張ることも時代遅れですし、パパであっても料理・掃除・洗濯はできて当たり前です。
もし「何かしていないと落ち着かない」とか「育児に参加したいけど何をすれば?」と焦っているのであれば、是非「ママ」になってあげてください。
ママが家の中に何人いたって構いません。また、メインママの隣にいる、サブママになってもいいでしょう。
自分のできることをすること。そして、ママや赤ちゃんをよく観察してサポートしてあげること。「イクメン」でも「良いパパ」にもならなくていいので、困った家族を手助けできるヒーローでいてください。