よく「人間は第一印象が大切」と言いますが、これは恋愛でも同じです。ところが、それがなぜ第一印象が大切なのか、という点まで心理学の面で理解している人は少ないかもしれません。
しかし、そこまで理解しておいたほうが、特に恋愛の場面で「どのように振舞えば第一印象がよくなるのか」といった応用ができ、より恋愛を成就させることができるのです。
そこで、ここでは心理学から見た時の第一印象が大切な理由と、それを恋愛の場面で活用する方法についてご紹介します。
この記事の目次
心理学で解く!恋愛でなぜ第一印象が大切なのか
では最初に、なぜ第一印象が大切なのかという点について、心理学の面で解説していきます。
第一印象がよいとそのあとのネガティブ部分が相殺される
まず最大の理由は第一印象のもたらす「初頭効果」というものです。
これは、初対面の印象がよいと、その後ネガティブな発言や行動をしたり、嫌な部分を見せてしまった場合でも、相手はそれを自分の中でポジティブに解釈して、最初の印象と整合性をとろうとして、マイナスとプラスを相殺してしまいます。これが第一印象の「初頭効果」です。
逆にNG行動をとって第一印象が悪いと、後でいくら頑張ってよい面を見せて、ポジティブな印象を与えようとしても、相手はそれを「かっこだけつけている」などのように否定的に解釈する傾向があります。
つまり最初にいい印象を与えておけば後で失敗してもおおむね大丈夫、しかし悪い印象を与えると何をしても取り返しがつきにくい、ということなのです。
ですので、恋愛に限らずあらゆる人間関係の中で、よい第一印象を得ることに力を使いましょう。
自分に好意を持っている人間を好きになる
さて、ではどのような言動をとればいい印象を与え、ポジティブな初頭効果を得られるか、という点についても心理学の面で触れていきます。
まず最初はどのような形であれ「相手に好意を示す」ことです。好意を示されると、人間はその示した相手のことを逆に好きになります。これを好意の「返報性」と言います。
これが1番現れるのが、こちらしては気になっている女性が今の段階では別にこちらをそれほど気にしていなくても、こちらが相手に好意を持っていると伝わった時点から、妙にその人のことが気になっていき、そして徐々に好きになってしまうという場面です。
さらにその好意の示し方を、面と向かって告白、というような明確な方法にすると、相手は緊張や興奮から心拍数が上がり、いわばドキドキします。
すると、「このドキドキは、自分も相手のことが好きなのかもしれない」という、これも心理学でいう錯誤帰属という一種の勘違いが生じ、すっかりその人のことが好きになった気分になってしまうのです。
共通の趣味があると、その人を好きになる
スポーツや音楽などで共通の趣味があると、話が盛り上がりますが、話が盛り上がることによってだけではなく、共通の趣味があると知るだけでその人のことが好きになります。
これは、同じ趣味を持っているということで相手と接してるときに心理的に楽であるということと、また同時に趣味を通じて自分の人格を認めてもらえるという肯定感が得られることから、自分に心理的なメリットがあるため、そのお返しとして相手のことが好きになる「社会的交換理論」という心理によります。
自分が助けた相手のことを好きになる
自分が助けられた場合に、助けてくれた相手を好きになるのはよくある話ですが、実は逆もあり得るのです。これは心理学の実験から明らかになったものです。
その根幹は「認知的不協和理論」というもので、これは自分のとった行動が自分自身の中で矛盾がないようにするために、行動の方に合わせて自分の考えを変えてしまう、という心理です。
具体的には、ある人を助けた場合に、嫌いな人を助けたという自覚を持ってしまうと嫌いなのに助けたという自己矛盾が生じるため、それが起こらないように、助けたのは相手に好意を持っているから、と自分の矛盾を解消しようとするのです。
自信をなくしたときに優しくしてくれた相手を好きになる
落ち込んで、自分に自信をなくし、不安を感じている時に優しい言葉をかけてくれた人を好きになるというのは、ある意味よくあることです。
これも心理学で説明すると、自己評価が低くなっていると、自分の周囲の人間が自分よりも優れていると感じてしまいます。
それは周囲の人間が実際の姿よりも魅力的に見えるということなので、その魅力的な人から声をかけられると、その人のことが好きだという感情を持ちやすい、ということです。
嫌われていると思っていた人から褒められると、急激にその人が好きになる
自分を好きだと思っている相手から褒められるよりも、自分のことを嫌っているはずだ、という人から褒められた方が、実はその人のことをより強烈に好きになるということが、実験によって証明されています。
それも急激に、一気に恋に落ちます。皆に嫌われている怖い性格の上司と社内で人気のある女性が意外にも不倫関係になっていた、というケースはほとんどこれによります。
逆に、自分に好意を持っているはずの人から非難されると、一気にその人のことが嫌いになることも分かっています。
したがって、第一印象の与え方で失敗しても、逆にこれをうまく利用すれば、いくらでも挽回することができるのです。
第一印象をよくする5つの方法
それでは、このように心理学的にも恋愛においては第一印象が非常に重要だということが分かった上で、次は具体的にどのように良い第一印象を与えればいいのか、というテクニックと方法を5つご紹介します。
1 笑顔、あいさつ、清潔さ
「メラビアンの法則」をご存知でしょうか。人の第一印象は、見た目で55%、話し方で38%、話しの内容で7%判断される、という法則です。
ですので、良い第一印象を得て初頭効果の恩恵にあずかるには、面白い話をして盛り上げるよりも、炒めをしっかりと整えるほうが重要なのです。具体的には、以下の3点がポイントです。
まず1つは表情、髪型、服装などでよい印象を与えることです。つまり、笑顔で接する、ヘアスタイルや服などをだらしなくしないで清潔にしておく、ということです。
2つめは態度です。これも特別に朗らかにするということではなく、立ち方や椅子の座り方などをだらしなくしない、背筋を伸ばしてさっそうと歩く、ということで十分です。
そして3つめが声の大きさや言葉づかいなどの話し方です。初対面で相手が年下でも、低めの声と丁寧語で話しましょう。
2 こちらから好意を伝える
一気にこちらのことを好きにさせてしまうためには、こちらからまず好意を示しましょう。
もちろんいきなり「好きです」と告白するのはかなかな難しいですから、「ずっと会いたかった」と伝えたり、あるいはほめることですが、それもできれば「ほかの人が見ていないこと」を褒めるのが効果的です。
たとえば、会社の別の部署の女性であれば、その人が人知れず早く来て仕事をこなしていたことなどを「見ていましたよ。すごいですね」というように褒めることです。
美人に「美人ですね」と褒めてもあまり効果はありませんので注意しましょう。
3 意外性を示す
「認知的不協和理論」というものをご紹介しましたが、簡単に言うと、意外性を示すとこちらのことを好きになってしまう、ということです。
たとえば、普段はぶっきらぼうに接しておいてある時にふいに優しくしてあげる、などが1番効果的です。
ただ、これは非常に難易度が高いので、そのほか、他人や生き物に親切してみせる、実はファッションや趣味などでこだわっている部分があって、ある分野に関して非常に詳しい、などです。
また、その人と一緒の仕事の時や、同僚たちが疲労したりしている時に頑張る姿を見せてオトコらしさを感じさせるのもよいでしょう。
4 落ち込んでいるときが勝負
落ち込んでい時や困っている時に手を差し伸べられると、その人のことが実際の姿よりもいっっそう魅力的に感じる心理があります。ですので、気になっている相手がそのような状況の時は逃さず、慰めたり、助けたり、優しくしたりしましょう。
中でも効果のある慰め方は、「落ち込んでいる理由を解消してあげる」ことよりも「その理由があっても、なおかつ相手が必要だ」と伝えることです。
つまり「ああいう失敗は誰でもするから気にしないほうがいいよ」ではなく「失敗してもこの仕事には君が必要だ」ということです。
5 手伝ってもらう。助けを求める
逆に、相手に助けてもらうことによっても、相手からの好意をゲットすることができます。
ですので、相手の得意な分野について相談したり、手伝ってもらえないかと頼んだり、助けてほしいと言ったりしてみましょう。
まとめ
いかがでしたか。
第一印象が大切なことはだいたい理解していても、それが笑顔で話しかけたりすることだけではなく、さまざま方法で与えられるということがお分かりいただけましたでしょうか。
以上の心理学を日常で生かせば、モテる男子になれること間違いなしです。