コンドームは避妊の方法としてもっともオーソドックスなものです。実際、コンドームを着用した場合、避妊率も高いといわれています。
ただし、その効果は100%ではありません。間違った使い方をすると、コンドームの避妊率を下げてしまいます。
さらに、コンドームはほかの避妊具と併用することで、より避妊率を上げる効果もあります。
この記事の目次
コンドーム避妊の失敗率は18%
アメリカの驚くべき統計
コンドームは安全な避妊具と思われがちですが、過信してしまうのも考えものです。
アメリカで行われたある調査では、コンドームを一般的な使い方をして、1年間のあいだ、コンドームで避妊をした場合の失敗率は18%という結果が出ました。
単純計算では、100回の性行為のうち18回は失敗していることになります。
5回に1回は失敗?
100回につき18回の失敗となれば、10回につき1.8回、およそ2回となります。
5回に1度はなんらかの理由で、コンドームによる避妊が失敗する可能性があるのです。これは決して少ない数字とはいえないでしょう。
夫婦や恋人、あるいはセックスフレンドなど継続的に性行為を行っている場合ではより注意が必要だといえます。
なぜコンドームによる避妊に失敗するのか
セックスの途中からの装着はNG
そもそもなぜ、安全性の高いコンドームによる避妊は失敗してしまうのでしょうか。その原因としてまずあげられるものが、セックスの途中から装着することがあげられます。コンドームはペニスが勃起時に装着し、行為のあとまでつける必要があります。
性行為の最初のうちはコンドームを装着せず、性行為を行っていると失敗リスクが高まります。妊娠の原因となる精子は、射精時の精液だけでなく、射精前に出るカウパー液(通称、先走り汁、我慢汁とも呼ばれます)にも含まれるためです。
さらに性感染症(STD)の予防のためにもコンドームは最初から装着する必要があります。オーラルセックス(フェラチオ)においてもSTD感染のリスクはありますので、コンドーム着用が推奨されます。
コンドームの破れ、外れ
さらに性行為の途中でコンドームが破れることもあります。これは、コンドーム装着時に、空気が入ってしまい行為中に破れる、あるいは装着時に爪などで傷がついて破れるといったものがあります。コンドームの正しい装着法を実践しないために、失敗してしまうのです。
さらに行為中にコンドームが外れる例も報告されています。これはペニスのサイズがコンドームに合わないことで起こります。
膣内への残留
もうひとつのコンドーム避妊の失敗例としては、コンドームが膣内に残ったままになってしまう、あるいは行為後にコンドームから精液が漏れて妊娠してしまう例もあります。
行為が終わったあとは、素早く膣内からコンドームを抜く必要があるでしょう。
失敗を防ぐためには?
コンドームの正しい使用法
それではコンドームによる避妊を失敗させないためにはどうすれば良いでしょうか。まずはコンドームそのものを正しく使用することが第一です。
- 性行為の最初からコンドームを使用する
- 自分のサイズにあったものを使用する
- 使用期限を確認する
- コンドームの再利用はしない
といった原則を守ることによって、避妊率の効果を高めることができます。
ウレタン製コンドームの組み合わせに注意
さらに最近では従来のゴム製のコンドームだけでなく、ゴム臭のしないウレタン製のコンドームも発売されています。
ウレタン製のコンドームは、オイルやジェルなどを併用することによって劣化を招き破れやすくなるリスクが指摘されています。それぞれのコンドームの商品に書かれた注意書きをよく確認するようにしましょう。
避妊法を試す
さらにコンドーム以外の避妊法を試す方法もあります。排卵日から計算した危険日、安全日を、基礎体温を計測することによって割り出す方法があります。
しかしながら、これは確実というわけではなく、あくまで目安ですので、危険日と安全日を計算しつつ、コンドームを併用することによって、より避妊率の効果を高めてゆくための補助手段と考えるようにしましょう。
ピルの併用
さらにコンドームによる避妊効果を高める手段として、コンドーム以外の手段を併用する方法もあります。女性の避妊薬としてピルを飲む方法がそれです。
ピルはなぜ避妊率をあげるのでしょうか。ピルはホルモンにはたらきかける薬で、妊娠に近い環境を作り出します。それにより排卵や着床が抑制されます。さらに生理痛や、オリモノの量の軽減、にきびの改善といった女性の健康への効果もあります。
ピルは女性の体への負担が大きい点がネックとされていましたが、最近では副作用を大幅に軽減した低用量ピルも登場しています。
それでもピルを服用することによる副作用がまったくないわけではありません。そもそも、あらゆる薬には副作用があるものです。
可能性は低いですが20代では1万分の1の確率でがんが発生するリスクがあります。さらに頭痛や吐き気などの軽度の副作用も報告されています。軽度の副作用は、服用を続けることで、緩和されてゆきます。
充実したSEXライフには、男性の協力が不可欠
コンドームの着用が第一
避妊の効果を高める方法は、男性側はコンドームの着用、女性側はピルの服用がもっともオーソドックスな方法だといえます。2つの方法を組み合わせることで確実度は増します。
ピルを飲んでいるからコンドームをしなくて良い、あるいはコンドームをしているからピルを飲まなくて良い、というわけではありません。
さらに、これまで使われてきた基礎体温をもとに、生理をむかえる排卵日を予測し危険日と安全日を割り出す方法も使えます。
ですが、もっとも簡単ですぐに実行できる方法は、男性のコンドームの着用であるといえるでしょう。充実したSEXライフと女性のことを考えるならば、コンドームの着用は必須です。
ピルのリスク
さらにピルは女性が飲むことで、避妊率を上げることができますが、現在のところ自己診療となっていますので、お金がかかります。ピルは継続的に服用する必要がありますので、どうしても金額がかさんでしまいます。
ピルにはさまざまなメリットがありますが、その一方で経済的負担がかかる点は留意しておく必要があるでしょう。
妊娠のダメージ
もし避妊に失敗し、女性が望まない妊娠をしてしまった場合は、そのまま産むのか、あるいは中絶手術をするのかといった選択を迫られることになります。どちらにせよ、女性の側に身体的だけでなく精神的なダメージが加わることには間違いありません。
快適なSEXライフの実現のためにも、避妊については男女双方できちっと話し合う必要があるといえるでしょう。
避妊の方法としてコンドームの着用がもっともオードソックスですが、100%安全とはいえません。女性の側がピルを服用する、基礎体温を測ることで安全日危険日を割り出す、といった複数の手段を組み合わせることにより、望まない妊娠をさけるための避妊の危険性を避けることができます。
箇条書きのまとめ
- コンドームによる避妊は100%安全ではない。ある統計では失敗率18%
- コンドームの避妊失敗は間違った使い方が大きな原因となる
- 女性の基礎体温測定、ピル服用など複数の手段を組み合わせると効果大
- 女性が飲むピルには、副作用、経済的リスクがある
- 望まない妊娠のダメージは大きいので男女双方で話し合う