セックスがしたくてたまらない…男性の皆さんなら、誰しもこのような思いを持ったことはあるかもしれません。しかし、その執着があまりに強すぎる場合、「セックス依存症」である可能性があります。
セックス依存症という名前こそ広く知られているものの、その詳しい病状や原因について知っている人は少なく、自分でも気づかないうちにセックス依存症に陥っている場合も多いのです。
今回はセックス依存症の症状や原因について解説します。
この記事の目次
セックス依存症とは？
異常なほどに性への執着をもってしまうセックス依存症、それはいったいどのような病気なのでしょうか？
セックス依存症の定義
セックス依存症、その正式名称は「性嗜好障害」で、性的な行動に過度な執着を示してしまう、精神的な病気になります。本来性欲の強い男性だけでなく、実は女性にも患者が多いのが特徴です。
セックス依存症のメカニズムは、薬物依存のそれと似ています。セックスをした時、脳内で分泌される快楽物質である「ドーパミン」に、脳が異常な反応を示してしまい、ドーパミンをさらに求めんがために、何度もセックスをしてしまうようになるのです。
また、その名前から、「セックスに依存してしまう病気である」と思われがちですが、実ははその対象はセックスにとどまりません。
- オナニーや性的妄想
- ネットでのアダルトサイト閲覧
など、性的な行為に依存している状態であれば、セックス依存症であると定義されます。
「エッチなことが好き」とセックス依存症の違い
じゃあ、男性のほとんどがセックス依存症じゃないか！という声が聞こえてきそうですが、ただエッチなことが好き、というのとセックス依存症には決定的な違いがあるのです。
それは、自分の過剰な性への執着を嫌悪しているかどうか、になります。
例えば、1日に何時間もかけて、毎日オナニーをしてような男性がいたとします。その行為が終わった後に、「いったい自分はこんなに時間をかけて、何をやっているのだろう…」というように後悔の念があれば、セックス依存症です。
しかし、「あ～気持ちよかった！明日も頑張ろう！」のように、楽天的に考えることができていれば、セックス依存症には陥っていません。セックス依存症と、ただのエッチ好きの違いは、「自己嫌悪があるかどうか」ということなのです。
セックス依存症の原因
セックス依存症に陥ってしまう原因は大きく分けて、
- 幼少期の愛情不足
- 人間関係のストレス
- ホルモンバランスの乱れ
の3つがあります。
幼少期の愛情不足
幼少期、親からの愛情を十分に受けられなかった場合、大人になってからも愛情を求め続けてしまい、それがセックス依存という形で表れてしまうことが多いようです。
幼少期に親から虐待を受けていた人も、同様の理由でセックス依存症に陥ってしまう傾向があります。
人間関係のストレス
人間関係でストレスも、セックス依存症に関係しています。うまくいかない人間関係の不安を解消するため、セックスに依存してしまうことが多いのです。
これは、自分の思ったことを言えずにストレスをためている人に多いパターンです。一度セックスでそのストレスが解消できることを知ってしまい、どんどんのめり込んでしまいます。
このように、セックス依存症は心の問題との関係性が強いのです。
ホルモンバランスの乱れ
心の問題だけでなく、性ホルモンの乱れによって、セックス依存症が引き起こされる場合もあります。
体内で、性欲に関わる「テストステロン」というホルモンが、多量に分泌されてしまい、セックスがしたくてたまらない、という状況に陥ってしまうのです。
セックス依存症のチェック項目
しかし、自分ではなかなかセックス依存症を判断できないのも事実です。かといって、このような問題は人にも聞きづらく、「もしかしたらセックス依存症なのでは…」と、一人で不安を抱えている方も多くいるでしょう。
以下では、セックス依存症のチェック項目をご紹介していきます。ご自身がセックス依存症に陥っていないか、チェックしてみてください。
まずは、あなたの性的行為が過剰かどうかを判断する3つの質問をします。この質問に2つ以上当てはまった場合、あなたの性的行為は「過剰」であると判断されます。
- 1日2時間以上を性的な活動に費やしているか？
- ストレスや不安など、自分の負の感情を解消する手段として性的行為を行っているか？
- 性的行為に割く時間を減らそうとしたが、できなかった
いかがでしたでしょうか？もし2つ以上当てはまったしまった、という方、あなたの性的行為は過剰ではありますが、まだセックス依存症ではない可能性もあります。次に、以下2つの質問に答えてください。
- 自分の性的行為に対して嫌悪感がある
- 自分の性的行為が、自身の生活に支障をきたした
いかがでしたでしょうか？もし、どちらか一つでも当てはまれば、あなたはセックス依存症であると判断されます。
かつてセックス依存症であった著名人
有名人のなかにも、セックス依存に陥ってしまった方は多くいます。
タイガーウッズ
かの世界的ゴルファー、タイガーウッズはセックス依存症に陥ってしまった著名人の一人です。セックス依存症が原因で、既婚者にも関わらず浮気をしてしまい、その謝罪会見でセックス依存症であったことを告白しました。
ビル・クリントン
アメリカ第42代大統領、ビル・クリントンもセックス依存症患者の一人でした。彼のセックス依存症も、不倫報道により明らかになったのです。
その後、セックス依存症克服のため、施設に入ってリハビリも行いました。大統領というプレッシャーが、彼をセックスへと走らせたのでしょう。
セックス依存症という言葉が広く知られるようになったのは、この不倫報道からと言われています。
エディーマーフィー
コメディアン、俳優、歌手など、様々な分野で活躍したエディーマーフィーも、セックス依存症に悩まされた一人です。彼には9人の子供がおり、そのことからもセックス依存をうかがい知ることができます。
マイケル・ダグラス
ハリウッドスターであるマイケルダグラスも、セックス依存症を抱えています。このように、世界的に著名なスターは強いストレスや不安などから、セックス依存症になってしまうことが多くあるようです。
セックス依存症の問題点とは？
セックス依存症になってしまうと、どのような問題が起こるのでしょう。以下で解説していきます。
日常生活に支障をきたす
セックス依存症の問題点として、日常生活に支障をきたしてしまうことが挙げられます。
例えば、1日何時間もかけ、深夜に自慰行為を行うために、翌日眠くて仕事が手につかない、というような場合です。しかも、セックス依存症の場合、それをやめようと努力してもやめられない場合が多く、さらに深みにはまっていってしまいます。
また、セックスの快感を求めるがため、性交渉の相手を探して浮気をしてしまい、離婚をするハメになる場合もあります。セックス依存症は、このように家庭を崩壊させてしまったり、人生を左右するような害をもたらす場合もあるのです。
問題行動を起こす可能性
性的行動に依存するあまり、社会的に問題のある行動をとってしまう危険性もあります。例えば、性犯罪などです。
セックス依存症は放っておくとエスカレートしてしまいます。法を犯すことはわかっていても、どうしても欲求に勝つことができず、性犯罪を犯してしまう、そうなる前に、病院で治療するなど対処が必要です。
日常の問題の有無で解決策は変わる
セックス依存症でも、日常の生活に支障をきたしている場合と、そうでない場合の対処は異なります。
日常生活に支障をきたしている場合
もし、仕事ができない、浮気をしてしまうなど、日常生活に支障が出ている場合、病院での治療を受けてください。重度の場合は、施設への入院という手段もありますが、この場合、費用はかさんでしまいます。
他に、精神科でカウンセリングを受けるという治療法もあります。ビジネスマン向けの治療プログラムを行っているクリニックもあり、プライバシーは必ず守ってくれるので、セックス依存で苦しんでいる方は受けてみるのがいいでしょう。
そうでない場合は、自分を認めてあげる
セックス依存症に陥っていても、日常生活に支障がなければ、自分を「性的行為が好きな人間」として認めてあげることが大事です。
性行為が好きな自分を嫌悪し続けると、それがストレスになってしまい、日常生活に影響を及ぼす可能性があります。ですので、罪の意識を感じることなく、自分の性欲と素直に向き合いましょう。
おわりに
今回は、意外と知られていないセックス依存症の実態についてご紹介しました。いかがでしたでしょうか？
チェック項目に当てはまってしまい、セックス依存症だと自覚した方もいると思います。もし日常生活に支障が出ていると感じている方がいれば、病院での治療をおすすめします。
そうでないのなら、嫌悪感を抱くのはやめましょう。性欲は誰にでもあるものです、自分を認めてあげてください！
まとめ
- セックス依存症とは、過剰に性的行為に依存してしまう疾患である。
- 行為の対象はセックスだけでなく、自慰行為、ネットでのアダルトサイト閲覧など、多岐に及ぶ。
- セックス依存症に陥ってしまう原因は、幼少期の愛情不足、人間関係のストレス、ホルモンバランスの乱れなどである。
- もし、セックス依存症が原因で日常生活に支障が出ている場合、病院で治療をする必要がある。
- 日常生活に影響がない場合は、性的行為が好きな自分を認め、自己嫌悪をしないということが大事である。
