消費税増税など中小企業にとっては厳しい状況が続く中、給与が上がらないことは決して珍しいことではありません。しかしながら自分自身の技術や勤続年数に見合った給料を貰えていないと感じた場合は、黙っているべきではありません。何故なら、上手く掛け合えば交渉によって給料が上がる場合もあるからです。そこで今回はあなたの将来を守る為の給料交渉術を紹介します。
まずはどうすれば昇給できるかを質問しよう
給料交渉の第一歩はリサーチから始まります。交渉を持ち掛ける前に、まずは直属の上司にどうすれば給与が昇給するのかを確認しましょう。定期的に社員面談がある会社で勤めている場合、その定期面談がチャンスです。その機会に想いきって「私の職種で昇給の際の条件はありますか?」と質問するのです。すると昇給制度が整っている会社であれば、資格取得もしくはどのような実績が必要なのか教えてもらえる可能性があります。昇給制度や基準はは基本的に管理職だけが知っていて一般の社員には知らされていない場合は少なくありません。だから当然、他の社員がいる際に教えてもらえる可能性はないのですが、二人きりの面談の場合、上司が気を許して教えてくれる可能性があるのです。だからいきなり交渉のボールを相手に投げてはいけません。仮にそこで昇給に必要なことが確認できれば、会社に居辛くなる等、身の危険を冒して交渉する必要が無くなります。堅実に昇給を狙う情報を聞き出すことも立派な交渉の一部なのです。
実績を資料化して交渉しよう
上司に昇給方法を確認する意図はもう一つあります。それは、今の給料には満足していないと暗黙で伝えることです。だから、交渉前に昇給方違を上司に確認することはボクシングで例えれば軽いジャブを打つようなものです。ボクシングではジャブを打ちながら、相手の出方を探りますよね。上司に対してこちらからジャブを仕掛けることで、相手に心の準備をさせることもできるのです。では具体的に給料交渉するとなると、一体どのようにすべきなのでしょうか。もしもあなたがマーケティング担当や営業職など、数字によって明らかに成果が示せる場合は、その数字を持って交渉しましょう。当然結果を出していることが前提ですが、その数字と実績に関する資料を用意して上司を呼び出しましょう。そしてその結果を資料として提示しながら、はっきりと「この結果に対する会社の評価はどうでしょうか」と聞くのです。そうやって会話を切り出すことで、一度の交渉で結果が出ることは稀ですが、何度か協議の場が設けられるなど、交渉が進む可能性があるのです。もし事務等、結果が数字として表せない職種の場合は、作業結果をまとめた資料や独自に工夫して業務を効率化した根拠などを資料化しましょう。何かしらの実績が目に見える形となれば、それは交渉を有利にする材料となるのです。
退職を交渉の武器にするのは最後にすべき理由
給料交渉をはじめたとしても、上司からはぐらかされてしまい、一向に話が進まないことは珍しくありません。ではどうしても交渉が進まない場合はどうしればいいのでしょうか。どうしても交渉が進まない時は、退職を武器に交渉しましょう。具体的にいつ迄に、どの程度の給料が昇給にならなければ、退職します、という交渉を持ち掛けるのです。その際は何故その給料の金額が必要になるのか理由も明確にしましょう。例えば離婚をしていて、慰謝料を払い続けなければならず、現在の給料だと貯金を切り崩しているので、もうじき生活が成り立たなくなることが見えている、等具体的な理由が必要です。退職はほとんどの中間管理職の減点評価項目なので、退職を持ち出すと目の色を変える管理者は少なくありません。だから退職を武器にすれば効果的なのは間違いありません。しかしながら注意点があります。それはこの給料交渉が失敗すれば、退職を言い切ってしまっているので、実際に退職せざるを得ない状況に追い込まれます。だから退職という武器は、交渉が失敗した場合はどうするのかまで考えて使わなければならない、切り札なのです。
ここまで、給料の交渉術についてお伝えしましたが、いかがでしたか。給料交渉は、交渉を持ち掛けるまでの準備がポイントとるのです。給料交渉は思いつきでは決して成功しません。入念な準備をすることで、成功する可能性は高まるのです。