同窓会の招待状が届いたら、最初に何を考えますか。旧友と久ぶりに会う楽しみを思ったり、お互いの変貌ぶりに驚く姿を想像したり、あるいは憧れだったクラスのマドンナに会えると少しドキドキしたり、ということが普通でしょう。しかしその一通りの思いが終わったら、その当日にどんな服装で行けばいいのをぜひ考えましょう。
10代や20代ならデニムパンツにチェックのシャツなどの服装でもまだ許されましたが、30代になったらやはり自分がどのように見られるかを意識することが重要です。おそらく出席する女性たちは当然のようにおしゃれをしてくるはずですから、男性もそれに負けないようにおしゃれをしていかないと、同窓会でモテることはかないません。
しかしそういわれても結婚式ではありませんからブラックスーツのような定番の服装はありません。ですのでどのような服装が適切なのか戸惑う人も多いでしょう。そこでここでは、30代の男性が同窓会にどのような服装で出席したらよいのか、という点についておすすめコーディネートも含めてご紹介します。
同窓会に行くのになぜ服装が大事なのか
冒頭のように書いてもまだピンと来ていない人もいるかもしれませんので、まず同窓会に行くうえでなぜ服装が大切なのか、ということを説明します。
同窓会でモテたいなら服装に配慮を
まず端的に言って、同窓会に一緒に出席した人たちから以下のどちらで自分を思われたいですか。
「学生時代は格好よかったのに、久しぶりに同窓会で会ったらがっかりした」
「学生時代は気に留めていなかったけれど、大人っぽく格好よくなっていたので、ちょっとときめいた」
ほぼ100%の人は後者のはずです。どうせなら格好よく変貌した姿を見せたいですし、それによって同窓会でモテて思わぬ出会いが生まれた、などのラブアフェアも期待したいと思うでしょう。そのためにはまず服装に配慮することも重要なのです。
服装には人生が現れる
同窓会では、ほとんどの男性は自分を高く評価されたいと思い、多少なりとも自慢します。しかしその方策はこれもほとんど男性の場合、自分の勤めている会社の大きさや、現在の社内の役職や、あるいはもっと露骨に年収を披露して、自慢しようとします。それはそれでいいのですが、しかし実は参加者はそういう肩書などと同じくらいの比重で服装を見てその人のことを判断しているということを頭に入れておきましょう。
というのは、服装には人生が現れるからです。
特に30代は、管理職についている、出世コースに乗っている、平均より豊かな暮らしをしている、金銭的にも心理的にも余裕があるというような人生と、すでに出世コースから外れている、生活が豊かではないい、家庭的に恵まれていない、心理的にも追い詰められている、などの人生の格差が出てくる時期です。
しかしそれはわざわざ「自分は管理職で」と言葉に出してひけらかさなくても、パリッとしたおしゃれな格好で参加すれば自然に伝わります。また学生時代の流行のままの服装ではなく、今のトレンドを取り入れた服装をしていれば、卒業以来の十数年間で、社会の動きに背を向けずしなやかな精神で生きてきたのだな、ということもわかります。逆に、どのようによい会社に勤めていても、よれよれのスーツで出席すれば、会社での役割の軽さも自ずから伝わってしまいます。
ですから自分が言葉でいくら雄弁に語らなくても、自然に服装が語ってくれるというような意識で服装を選びましょう。
うまくすればマドンナだった女性とラブアフェアも
また当然、同窓会に行けば、当時憧れだった女性とも会えるでしょう。当時は声もかけられなかった彼女に対して、服装がパリッとしていれば、自分に自信と余裕が生まれて話しかける勇気がわくかもしれませんし、あるいは相手から話しかけて来るかもしれません。さらには、当時は意識をしていなかった女性が思いのほかきれいになっていて、その彼女と盛り上がって2人きりで2次会に行こうかという話になるかもしれません。
そのようなことが起こればそこから新たな出会いが生まれて、学生時代であれば高嶺の花だった人とラブアフェアが生まれる、という期待も持てるはずです。
30代が同窓会に着ていくべき服装のポイント
では具体的に同窓会に着ていくべき服装とはどういうことに注意すればよいのか、という点をご紹介します。
ポイントは「カッチリし過ぎない」で「カジュアル過ぎない」こと
同窓会だからきちんとした服装で、ということになると多くの男性は、いつも会社に着ていっている上下がそろいのスーツ姿を考えるでしょう。しかしそれはNGです。なぜならスーツスタイルは「カッチリし過ぎていて」、若いころの上下関係のない立場に戻って、フランクに会話を楽しむ同窓会の場にはふさわしくないからです。
もちろん学校の大先輩が多数参加する年度をまたいだ同窓会や、ホテルや高級レストランなどドレスコードが指定されている同窓会は別ですが、同年齢の集まるカジュアルな雰囲気の同窓会には、結婚式に着ていくようなブラックスーツや礼服は合いません。
とは言えカジュアルでいいからと言って普段ショッピングセンターに行くような、ルーズなデニムだったりフランネルのチェックシャツなどのファッションではカジュアル過ぎて、自分をよく見せる、という先に書いた目的を果たせません。
ですから、狙うべきは「カッチリ過ぎない」で「カジュアル過ぎない」バランスをうまく取った服装をセレクトすることです。
基本は「シンプルで」「清潔感のある」ジャケットとパンツ
そのバランスがうまく取れた服装がジャケットとスラックスパンツを合わせた「ジャケパン」と言われるキレイめなコーディネートです。そういう服装で、仕事もバリバリこなすが遊びも忘れていないといった自分を演出しましょう。
具体的に意識したいのは、その中に「シンプルさ」と「清潔感」を取り入れることです。たとえばテッパンなのが、ネイビーやグレーの強すぎない色合いのテーラードジャケットです。もう少しカジュアルめに寄るのであれば、柄の入ったものや、ウールではなくニットや夏であれば麻などの素材に変化があるテーラードジャケットをチョイスしてもセンスの良さを感じさせます。
合わせるパンツは無難なのがセンタープレスのある「スラックス」です。これであれば30代にふさわしいに清潔感や上品さを取り入れられます。
また清潔感という意味では、新品である必要はありませんが、少なくともクリーニングから戻ってきたばかりのアイテムにするか、せめてしっかりとアイロンをかけていきましょう。首元がヨレヨレのTシャツ、シミがついている服などは論外です。さらには意外に人は相手の足元を見ているものです。ですから靴もしっかり磨いていきましょう。そういう習慣がない人でも、この時だけは注意すべきです。
TPOに合わせた服装が肝心
少し触れましたが、そのビジネスとカジュアルの中間くらいのバランスを取ることと同時に、同窓会のTPOに合わせた服装の選択が重要です。具体的には以下のような点です。
会場の「格」に合わせる
まず、同窓会をどのような会場で行うのかという「格」によってセレクトするべき服装は変わってきます。
居酒屋などで開かれる場合は、ジャケパンスタイル、あるいはおしゃれであるならデニムパンツに合わせたカジュアル系でも大丈夫です。居酒屋の場合は座敷で行われるかもしれませんから、靴下も清潔なものを選んでおきましょう。
レストランで行われる場合は、店内の雰囲気をあらかじめグルメサイトやその会場の公式サイトなどでリサーチしておきましょう。そして、ちょっとよい会場だと判断したら、完全にジャケパン一択です。
ホテルのバンケットルームなどで行なわれる場合は、「平服」で行くのが無難です。つまりスーツです。冠婚葬祭で着る準礼装の必要はありませんが、カジュアルからビジネスにかなり寄せた服装がよいでしょう。
参加者に目上の人がいないか確認する
会場の確認の後は、ほかの参加者の顔ぶれを確認しましょう。同期だけが集まる会であればかなりカジュアルめでも大丈夫ですが、学生時代の恩師が出席したり、年度をまたいだ会で、年代が上の大先輩の同窓生が来る場合は、少なくともネクタイは着用しておいたほうがよいでしょう。またそのような場合は、あらかじめ一緒に参加する友人に連絡をし、どんな服装で行くのか相談しておいたほうが安心です。
季節感を考える
また季節感も考えた服装も重要です。お盆休みや夏期休暇に開かれる同窓会は、多少カジュアルに寄せた服装でも大丈夫です。但し、Tシャツとサンダルなどのラフすぎる服装はNGです。無難に行くのであれば襟付きのアイテムにしておきましょう。
逆に冬の場合は、厚着をしていってもいいですが、会場では身軽に動けるように、コートやダウンジャケットで防寒をし、会場入りの前にそれらをロッカーに預けるようにしましょう。
「平服でお越しください」には要注意
最近の結婚式でもそうですが、よく「平服でお越しください」と書かれている場合があります。しかしその場合の「平服」はカジュアルな普段着ではありません。男性の「平服」とはスーツやジャケット、シャツ、ネクタイ、スラックスパンツのコーディネートのことですから、注意しましょう。
同窓会に着ていきたいアイテムの選び方
では以上のポイントを原則に今度はもう少し具体的に、アイテム別の選び方をご紹介します。
ジャケットの選び方
ジャケットの場合は、全身のシルエットを意識しましょう。代表的なシルエットは以下の通りです。
まず「Aライン」は上半身を細く、ボトムにゆったりさせた着こなしです。基本はこのようなシルエットになる、細身のジャケットを選びましょう。
もう1つが「Iライン」です。細身のジャケットにボトムもスキニーパンツのような細身のアイテムを合わせたものです。スタイルが良く見えますから、身長の高い人はこれでもよいでしょう。逆にメタボ気味の場合はNGな服装です。
またシャツも含めて色は全体で2〜3色にまとめることもポイントです。色にまとまりがあると、全体的に落ち着いた大人っぽい雰囲気になり、30代にふさわしいです。ただしジャケットと同色のボトムなどにしてそこにワイシャツなどを合わせると固くなり過ぎるので避けましょう。
さらに可能なら小物としてポケットチーフをあしらうとおしゃれ感が増すので、ぜひ挑戦してください。
おススメの色や柄は、
- グレージャケット
- ヘリンボーン柄で素材感のあるグレージャケット
- ネイビーのジャケット
- 千鳥格子チェックジャケット
などです。
パンツの選び方
またパンツは基本はセンターにプレスの入った折り目のあるスラックスがよいでしょう。ただし、もう少しカジュアルでもよさそうな場合は、それをチノパンにするセレクトもあり得ます。チノパンとは「チノクロス」と呼ばれる綿や化学繊維の生地でできたパンツで、ジーンズよりもきれいめの服装ですから、襟付きシャツと合わせても、さらにカジュアルで行くのであればきれいなTシャツと合わせてもよいでしょう。
おススメの色はベージュか淡いグレーです。
シャツの選び方
シャツはホワイトシャツではなく、チェック柄やストライプ柄、あるいは襟部分が白いクレリックシャツを選びましょう。特におススメなのは、チェックの中でも目の細かい正方形の柄の「ギンガムチェック」です。カジュアルシャツとしても人気ですが、最近は少し軟らかめの会社ではビジネスシーンで着て行ってもおしゃれさを演出できるタイプのものです。
そのギンガムチェック柄が大きいものはよりカジュアルな印象に、柄が細かいものはそれが薄まりますので、そのあたりには自分の狙いたいテイストに合わせましょう。さらに襟もボタンダウンにすればもう少しカジュアル度が増します。
さらにカジュアル系を狙うなら、少し高度な着こなしになりますが、おしゃれ系のジャケットにインナーは襟付きのシャツではなく、ゆったりしたTシャツでもよいでしょう。これは上手くいけば女性に非常に人気になるはずです。
また、シャツの上から薄いニットのセーターやカーディガンなどを着ても、素材感とカラーバランスがよければおしゃれさが出ます。
ネクタイの選び方
ジャケパンスタイルの場合は、ネクタイをどうするかということが悩みどころですが、これについては会場や参加者の雰囲気、あるいは自分の狙い目などを考えて選択すればよいでしょう。ただし、ネクタイをする場合でも、普段会社にして言っているようなシルクのものはおすすめしません。代わりにニットタイにするとオンタイでありながらカジュアルさも演出できてGoodです。
メタボ気味なら加圧シャツも検討の価値
30代になってお腹周りが太くなってはいるものの、同窓会では見栄を張りたい、という場合は今流行の加圧シャツの力を借りてもよいでしょう。これは身体を締めつけるタイプのシャツで、お腹のぜい肉を押さえつけてかつてのようなスリムなスタイルを演出することができます。
まとめ
いかがですか。
単純に旧友に会えるからうれしい、と言うだけで同窓会に参加するよりは、その場で自分が格好よく、そして充実した人生を送っている印象を与えたほうが、その場での人気にも、あるいは同窓会後の旧友との人間関係にもプラスの影響が出てきます。ですから、場合によっては同窓会用に新たにいくつかアイテムをそろえることも含めて検討しましょう。ここで揃えても、そのアイテムはほかのシーンで必ず使え、そしてその時もおしゃれな人だという印象を与えられますから、無駄にはなりません。
ぜひ同窓会でモテる自分を演出しましょう。