近い将来、結婚を控えている人、あるいは結婚に備えて準備をしていこうと考えている人にとって、結婚自体にどの程度お金が必要なのか、ということが気になるのではないでしょうか。そしてすでに結婚した人たちは結婚に向けてどの程度貯金をしていたのかも知りたいところでしょう。
そこでここでは、結婚に向けていくら貯金をしたらいいのか、そしてどのようにしたら貯金ができるのか、と言ったことについてご紹介します。
結婚に向けて貯めた平均貯金額は?
まず最初に、すでに結婚したカップルが結婚費用として貯金をした金額の平均をご紹介します。
結納、挙式、披露宴や披露パーティ、二次会、新婚旅行など、新居費用を含まない、結婚というイベントに関して使うお金として貯めた金額の調査を結婚情報誌のゼクシィがしています。それによると、まず貯金をしていた人は86%でした。つまりほとんどの人は額は別にして結婚のために貯金をしているわけです。
そしてその気になる貯金額は以下の通りでした。まず男性は
- 1位:「100万円未満」(25%)
- 2位:「100万円以上200万円未満」(16%)
- 3位:「200万円以上300万円未満」(13%)
- 4位:「300万円以上400万円未満」(8%)
- 5位:「400万円以上500万円未満」(7%)
でした。一方女性は
- 1位:「100万円未満」(23%)
- 2位:「100万円以上200万円未満」(19%)
- 3位:「300万円以上400万円未満」(12%)
- 4位:「200万円以上300万円未満」(11%)
- 5位:「500万円以上600万円未満」(8%)
でした。
※引用元:ゼクシィユーザーアンケート「最近のときめき、合コンで聞かれたくないこと、結婚後の男性、結婚前の貯金額について」
つまりたくさん貯めていた人は意外に少なく、男性が200万円未満で全体の4割、平均額は287万円、女性も200万円未満で4割、平均額で230万円という結果です。
またカップルで共同の銀行口座を作ってそこに結婚資金を貯金していた人も多く、その人たちの合計の貯蓄額の平均は280万円でした。
まずはそのあたりの250万円前後がメドだと考えて目標にしておけばいいでしょう。
実際結婚するために必要な費用と貯金額は?
ただし一般的な慣習に従って結婚式を行い、披露宴をしようという場合にはだいたい出席者からご祝儀をいただきます。
また人によっては親や親族から援助を受ける場合もあるでしょう。したがって、実際の結婚にかかる費用は上で挙げた200万円前後の貯金とそのお祝いのお金の合計で賄うことになります。
となると、結婚して新婚生活を送るにあたって、いくら費用がかかるのか、ということも知っておく必要があります。
そこで、以下では結婚にかかるあらゆる費用についての平均額をご紹介します。
結婚を決めてから結婚式と披露宴を挙げるまでの費用は?
まず最初に、結納から始まって婚約、結婚式、披露宴までの費用について「ゼクシィ結婚トレント調査2016」という調査による回答の平均額です。
- 婚約指輪:35.9万
- 結婚指輪:24.3万
- 結婚式(挙式):31.5万
- 新婦のドレス:47.4万
- 新郎の衣装:16.7万
- 披露宴の料理:1人平均1.8万円
- 披露宴でのギフト:1人平均0.7万円
- 写真撮影:22.3万円
- ビデオ撮影:18.9万円
以上の合計で、結納から披露宴までの平均の相場は約360万円でした。この中で特にカップルによって違ってくるのは披露宴の金額です。ですからご自分の場合は、披露宴に呼ぶ人数や、披露宴をレストランで行うのか専用の結婚式場やホテルなどで行うのかなどを踏まえて計算してみてください。
引用元:ゼクシィ結婚トレント調査2016
新婚旅行の相場は?
さらに結婚式の後は新婚旅行です。これについては「みんなのウェディング」というサイトが調査をした新婚旅行にかけた費用のランキングが以下のようにあります。
- 第1位 50万円-70万円未満 26.7%
- 第2位 30万円-50万円未満 22.6%
- 第3位 70万円-100万円未満 15.6%
- 第4位 20万円-30万円未満 13.8%
- 第5位 10万-20万円未満 11.7%
- 第6位 -10万円未満 6.7%
- 第7位 100万円以上 2.9%
このデータで見ると30万円から70万円で約半数というところです。平均金額は62万円でした。
引用元(旅行順位):みんなのウェディング
トータルすると2人で結婚にいくらの費用がかかる?
以上を合計すると、披露宴までに360万円、新婚旅行に62万円ですから422万円ですが、上のデータに入っていない雑費や美容院、エステなどの費用も含めると、平均額は500万円という調査結果です。
つまり、自分たちの貯金額が仮に250万円前後だとすると、残りの250万円はご祝儀や親からの援助で補っている、という実態が見えてきます。
新婚後の準備費用は?
ただし、本当の結婚生活はここからが始まりです。多くのカップルが考えることは、イベント費用はできるだけ抑えて余ったお金を新生活の費用に充当したい、ということでしょう。その参考として同じく「ゼクシィ新生活準備調査 2016」で、費用ごとの平均額の調査がありますのでそこから引用してみます。
新居費用は?
まず、親と同居している場合は新居は別に構えることの方が多いので除外して、すでに親と別居している人が結婚を機に新居に引っ越したかどうかを調べたところ、53%が新たな家を構えていました。そのうち賃貸のマンションやアパートなどに引っ越した人が、その敷金と礼金に使った費用の平均は18万円でした。
引っ越し費用は?
さらに新居を構えればそこに引越すための費用もかかります。その引越し業者に支払った平均額は6.4万円でした。
新居用に購入した家具やインテリアの費用は?
さらに新婚カップルの場合は、独身の時に使っていたものをそのまま使う場合もありますが、ベッドなどは買い替えるでしょうから、新たに購入した家具やインテリアの平均も見ておきましょう。
まずインテリアや家具の購入にかかった総額の費用の平均は40万円でした。
何を買ったかというと「カーテン類」が82%、「ラグ、カーペット、じゅうたん」が63%、「自分たち用の布団」が57%、「食器棚」が56%、「ベッド」が55%、「ダイニング家具」が54%、「ソファ」が53%です。やはりカーテンは住居の窓のサイズに合わせて買うものですから、ほとんどのカップルが新たに購入しているわけです。
そしてそのアイテム別の購入費用の平均は「ベッド」が14.8万円、「ソファ」が7.5万円、「ダイニング家具」が6.9万円でした。
生活家電製品の費用は?
さらに電子レンジやテレビなども2人用の生活や新居のサイズに合わせて新たに買い替える場合も多いでしょう。その家電製品購入にかかった総額の平均は37.4万円でした。
結局、新生活にいくら必要?
以上を合計すると、新居関係で25万円、家具などで40万円、家電製品で37万円ですから、新婚生活を始めるにあたってかかった費用としては102万円が平均金額になります。
ただし、やはり基本的には決まった予算の中でやりくりをするカップルが多いわけですから、電子レンジを買ったらテレビは前のを使おう、などのように選択が入ることが普通です。したがって、本当のかかった費用の合計はこれよりも少なくなります。その金額として「合計でいくらかかったか」という問いに対する回答の平均としては72万円でした。
ただ、結婚カウンセラーなどがアドアイスによれば、新生活の予備的な生活費を持つことをすすめられています。そのメドが最低でも3か月は生活していけるだけの余裕ということですから、だいたい50万円程度でしょう。
したがって、新生活を始めるにあたっては、100万円から150万円は用意する必要があるということです。
引用元:ゼクシィ新生活準備調査 2016
実質的に必要な貯金額は?
以上の費用をもう1回まとめてみましょう。すると以下のようになります。 結婚のイベント500万円+新生活費用100万円=結婚に必要な費用600万円
つまり結婚のためにはこれだけのお金を自分たちの貯金とご祝儀や親の援助で用意する必要があるということです。そのためにご祝儀と親文親族からの援助の平均額も見ておきましょう。
まず披露宴や披露パーティ招待客のご祝儀の総額は平均で232万円です。そして親や親族からの援助があった人が全体の72.6%いて、援助してもらった平均額が167万円でした。
さてここでやっと結婚に向けて実質的にいくら貯金が必要なのか、という計算ができるようになりました。それは以下のような金額です。
結婚するために必要な費用600万円-ご祝儀232万円-親からの援助費用167万円=必要な貯金額201万円
いかがですか。ですから、最初に書いた結婚に向けた貯金のメドの250万円で、多くのカップルは新婚生活を始めるための費用が賄えているということが言えます。
もちろん、これらはすべて平均の数字ですから、これだけ費用をかけなければならないということでもありませんし、逆にもっと費用をかけたいという考え方もあり得るでしょう。
さらに結婚式のあり方も、一律に費用をかけないでどこかの費用を削りどこかを充実させるというスマ婚や、親族や親友など限られた出席者と新婚旅行を兼ねて行うリゾート婚など多様化していますし、そもそもいくらいただけるかわからないご祝儀型ではなく、会費制にしてしまうカップルもいます。
つまり、自分たちらしい結婚式は何かということを考えて行えばいことで、それによって費用は大きく変わってくる、というわけです。
みるみる増える貯金法のポイント
では、それぞれのカップルに必要な貯金額が分かったところで、肝心な問題はそれをどのように貯金するか、ということです。その貯金の方法のポイントを以下にご紹介します。
1 結婚準備用の口座を作る
まずこれは意外に実行しているカップルが多い方法ですが、男女それぞれで、あるいは2人の共同の結婚資金用の銀行口座を作り、そこに貯金をしていきましょう。日々の生活費に使うお金と全く別の管理にしないと、つい流用してしまったりします。また特に共同の口座にすれば、より結婚に向けた共同作業的な気分が盛り上がって、2人の連帯感を作れます。
2 お金の使い方を見直す
またすでにいつ結婚するかということと、毎月の貯金可能額が分かっていて、その貯金のペースでは目標額に届かない、と言いうことが判明している場合は、徹底的に生活費を見直しましょう。ランチを外食ではなく自炊やコンビニのお弁当にしたり、趣味のお金を少し控えるなどでかなり変わるはずです。
3 給与天引き制度を活用する
毎月貯めなければならないお金が決まり、結婚費用の口座を作ったら、そこへ定期的にお金を入れていくシステムを作りましょう。
そのためには、給与天引きなどの制度を活用する方法がベストです。給与天引きとは、会社が税金や年金などを引いた手取りの給料を振り込んでくれる時に、貯金も引いてくれる制度です。特に、社内預金制度や財形貯蓄制度がある企業の場合は利率もよいことが多いですから、確認してぜひ活用しましょう。
そのような制度がない場合、あるいは会社とは別に貯金したい場合は「積立定期預金」という仕組みがあります。これは銀行が毎月決まった額を給与口座から自動で同じ銀行の定期預金口座に振り替えるシステムです。1回手続きをしてしまえば、あとは自動で貯金されていきますから、給与天引きと同じです。
2人の共同口座を別の銀行に作った場合は、自動送金という方法で、その銀行の定期預金に毎月積み立てることも可能です。
4 息抜きをする
ただしあまりに「貯金、貯金」「「節約、節約」と考えているとストレスが溜まって、結婚そのものへの気持ちが萎えてしまう可能性もあります。ですから、時々は息抜きのために旅行に行ったり、すこし良いレストランで食事をしたり、趣味にお金を使ったりして、息抜きをすることも無理なく貯金していくためには必要です。
5 資産運用や保険は結婚後に考える
また社会人になると、投資信託などの資産運用や、医療保険、健康保険への加入などの勧誘が増えてきます。特に健康保険は会社の出入り口に保険会社の外交員が待っていて、「社会人になったら保険くらい入らないと」「今、災難に遭ってけがをしたらどうするの?」などと勧誘してくることが多いです。
しかし、医療保険、健康保険は若いうちは病気にかかるリスクも低く、また仮に死亡しても残された家族の生活を考える必要がありませんから、独身の間は加入しなくても大丈夫です。それらは結婚して、家族ができてから考えても全く遅くはありません。その分は貯金に回しましょう。
さらに一気に貯金を増やそうと資産運用などに手を出すのもNGです。資産運用はバクチ的な要素が高いですから、資金に余裕ができた時に行うべきものです。したがって「絶対に貯めなければならない」結婚資金は運用で増やそうと考えずに、地道に自分の稼いだお金を貯金することで作りましょう。
まとめ
いかがでしたか。
結婚には意外にお金がかかると思った人もいるでしょうし、あるいはすでにそれだけの貯金をしている人もいるかもしれません。
しかし最も重要なのは、まずパートナーになる相手とどのような新婚生活にしていくのか、どのような結婚のイベントを行うのか、ということの共通認識を作り、その上で必要金額を算出し、2人で貯金計画を立てることです。
上で挙げたデータはぜひそのために使ってください。