戦後、男性が髭を生やすことはあまり流行りませんでしたが、今また髭が復権してきています。
特に、あごの先端だけ顎ヒゲを伸ばすようなスタイルが、アーチスト系やダンス系、音楽系の男性の間では流行で、若い人もそれを見習って伸ばしたりしています。
もちろん世の中には髭が濃すぎて困っている人もいますが、しかし一方ではそういうファッションにしたいのに髭が薄いので濃くしたい、という人もいるのです。
そこでここでは、薄い髭、まばらな髭をどうしたら濃くすることができるか、という点についてご紹介します。
この記事の目次
髭はなぜ生えるのか?髭の濃い、薄いはなぜあるのか?
そのためには、まず髭がなぜ生えるのか、濃い薄いはなぜ存在するのか、といった身体の仕組みについての理解が必要です。
髭は男性ホルモンの影響で生える
男性の髭は、平均して小学校高学年から中学生にかけて生え始めます。
これはこの時期が、いわゆる思春期と言われる第二次性徴期であるため、その特質としてによって、脳から身体に男性ホルモンを分泌しろという指令が飛んでいるからです。
この男性ホルモンの影響で、骨は太くなり、肩幅も広くなり、筋肉もついてきて、中性的な姿が男らしい体格に変わっていきます。
ちなみに喉仏が出て変声するのも、「思春期ニキビ」ができるのもこの男性ホルモンの影響です。
そしてこの男性ホルモンは、以上と同時に体毛を濃くする作用も持っています。
胸毛やすね毛なども、それ以前から産毛として生えてはいますが、男性ホルモンの影響で硬く、濃いものへと変化し、髭も同じように顔の産毛が、硬く濃くなって、いわゆる髭として認識されるようになるのです。
なぜ男性ホルモンが多いと髭が生えるのか
ではなぜ男性ホルモンの影響で髭が濃くなるのでしょうか・
男性ホルモンには実はいろいろな種類があるのですが、体毛に影響を与えるのは「テストステロン」という種類のホルモンです。
これは性欲や精力とも密接な関係にあるので「やる気ホルモン」とも呼ばれています。
そしてここからが少しややこしいのですが、テストステロンは、5αリダクターゼという酵素と結びついてDHTという物質に変換されます。このDHTには2つの作用があります。
1つが成長因子的な作用で、もう1つが脱毛因子的な作用です。つまり毛を生やす働きと、抜けさせる働きの両方を持っているのです。
実は男性の髭はこのうちの成長因子が顔付近にある毛乳頭に作用し、毛母細胞の細胞分裂を促して、太くて濃い毛を生やすことで、生まれているのです。
またちなみに、このテストステロンから変換したDHTは、鼻から下の体毛には成長因子として伸びろと命令し、鼻から上の髪の毛や眉毛などの体毛には脱毛因子として伸びるな、抜けろと命令します。
ですので、若年でも薄毛になったりハゲたりするAGAと呼ばれる男性脱毛症も、この同じく男性ホルモンの影響によって発生するものなのです。
またこの男性ホルモンの分泌量と、5αリダクターゼという酵素の量には個人差があり、そのために髭の濃い、薄いは生まれているのです。
髭を濃くするには男性ホルモンを増やすこと。具体的には?
ですので、髭を濃くするためには、この男性ホルモンの中のテストステロンの分泌量を増やしてやればいいわけです。
その具体的な方法は以下の通りいくつかあります。
テストステロンを食事で増やす
まず、すぐにできることはテストステロンの分泌を促す栄養素を食事の内容を変えることで摂る方法です。テストステロンは
- 亜鉛
- タンパク質
- ミネラル
- アルギニン
- シトルリン
という栄養素によって分泌が促されますので、それが豊富に含まれている以下のような食べ物をとりましょう。
亜鉛やタンパク質を含む食物
牛肉、牡蠣、うなぎ、卵黄、大豆、納豆、豆腐、にんにく、玉ねぎ、長ネギ
ミネラルを含む食物
イワシ、牛乳、チーズ、小豆、バナナ、ほうれん草、レンコン
アルギニンを含む食物
鶏肉、仔牛、牛乳、海老、大豆、ナッツ類
シトルリンを含む食物
スイカ、きゅうり、メロン、ゴーヤ
これらの含めた食事に変えていくことが難しいようであれば、サプリメントで摂取するのも1つの方法です。ドラッグストアに行くとこの成分名がついたサプリメントがたくさん並んでいます。
テストステロンを筋トレや運動で増やす
筋肉を鍛えるとテストステロンが分泌されます。それは筋トレもそうですが、ほかにも人と競うスポーツをすると闘争心が増え、男性ホルモンも分泌しやすくなります。
筋トレであれば基本的にはどのようなものでもいいのですが、1番簡単でかつ筋肉量を増やすのに効果的なものは、スクワットです。スクワットの15回分の効果は腹筋の500回分に相当するのです。
やり方は以下の通りです。
- 両足を肩幅に開いて立つ
- 両腕を頭の後ろに組む、あるいは前に突き出す、腰に当てるのどれかのポジションにする
- 背中が曲がらないように注意しながらゆっくりと腰を落とし、太ももと床が平行になったら止める。
- 2秒数える
- すっと腰を伸ばし、元の姿勢に。ただし、膝が伸び切らないように注意する。
テストステロンを質のよい十分な睡眠によって増やす
ある実験によれば、1週間の睡眠時間を毎日5時間に減らしたところ、テストステロンの分泌量が10~15%低下しました。
これは、睡眠不足によってストレスが増え、そのときに分泌される抗ストレスホルモンがテストステロンの分泌を抑制したためです。ですので、
- 早寝早起き
- 寝る前に刺激物をとらない
- 1日7時間以上は睡眠時間を確保する
ということをしましょう。
また喫煙や過度な飲酒などの悪い生活習慣や、仕事のストレスなどもテストステロンの分泌を抑制しますので、できれば避けるようにしましょう。
テストステロンをダイエットによって増やす
アメリカで行われた研究によれば、肥満の割合を示すBMIとテストステロンの分泌量は相関関係にあることが分かっています。
これは、体脂肪に含まれる酵素がせっかく分泌された男性ホルモンを女性ホルモンに変換してしまうからです。ですので、今太り気味な人は、ダイエットによってテストステロンの分泌を促すことができます。
ただし、痩せすぎや過度なダイエットは、ホルモンの分泌そのものを抑制し、ホルモンバランスを崩すので、あくまで適正な体重にするということが大切です。
テストステロンをホルモン注射で増やす
以上のようなことをしても男性ホルモンの分泌量が増えない場合は、男性ホルモン注射によって直接的に増やすことも考えられます。
男性ホルモン療法は、2~4週間に1回のペースで10回程度の男性ホルモンを注射する方法です。費用としては、1回あたり約2500円で保険は効きませんので、よくその費用対効果を考えて判断してください。
テストステロンを恋愛によって増やす
本末転倒かもしれませんが、恋愛をすることで男性は男性ホルモンの分泌が増え、女性は女性ホルモンの分泌が増えます。
「あの女の人最近綺麗になったのは、恋をしているからじゃない?」というのはまさにこの影響です。ですので、髭を濃くしたいと思ったら、どんどん人を好きになって、恋愛をしましょう。
頭髪用育毛剤を使う方法も
また、男性ホルモンを増やす方ではありませんが、頭髪も髭も毛乳頭から生まれるという点では同じなので、頭髪用の育毛剤などを髭を濃くしたい場所に塗っても、効果はあります。
ただし顔の皮膚は頭皮に比べて刺激に弱いので、頭髪用の育毛剤に含まれるアルコールなどによって炎症を起こす可能性があります。
使用する際には、その点に気を付けて、肌が赤くかぶれたらすぐにやめるようにしましょう。
髪の毛は女性ホルモンに由来するので、男性ホルモンを増やしすぎると髪の毛の方が薄くなってしまう可能性が出てきてしまいます。
なかなか、一筋縄に行かないのが人間の体ですね。
髪にはビタブリッドCのような頭皮ケア、育毛剤を使用して、かっこいい髭とともに、かっこいい髪を作っていきましょう。」
まとめ
いかがでしたか。
ホルモンの分泌量は非常にナイーブなものなので、食事を変えたからと言っても、ほかの環境の影響もあり、いきなり増えたりする即効性はありませんが、以上のような方策を根気強くやっていけば、効果は出てきます。ぜひ、以上を実行して、かっこいい髭面を目指しましょう。