もしかしたらこの記事を読む方はまだ自分のペニスが勃たなくなる、勃ちが悪くなる、挿入中に中折れしてしまう、などということは想像も、もちろん経験もしていないかもしれません。
あるいは、お酒を少し飲みすぎた時に彼女とベッドインして、役にたたないことがあった、ということくらいでしょうか。
しかし、脅かすわけではありませんが、30歳を過ぎ40歳の声を聞くころになった男性の何と4割は、自分の勃起力に自信を失っている、あるいは勃起障害を自覚している、という統計もあるのです。
つまり、今は「木の根っこ」のように固く屹立しているペニスであっても、あるいは近い将来その状況になることも十分考えられるのです。つまりこれを読んでいる人のうち4割はED予備軍なのです。
そこでここでは、勃起障害、いわゆるEDがなぜ起こるのか、ということとそうならないために今のうちからできる予防策には何があるのか、と言ったことについてご紹介しますので、転ばぬ先の杖だと思って読んでおいてください。
この記事の目次
EDの原因は4つ
少しでも勃起しにくくなったらEDかも
EDとは、勃起障害の英語の頭文字です。「障害」と書くと、完全に勃起しなくなったことをEDだというようにとらえるかもしれませんが、勃起に時間がかかる、勃起しても途中で萎える、勃起してもペニスが十分に硬くならない、それらによって満足に至るセックスができない、というような状況にある人は、重度か軽度かは別にして、EDの可能性があります。
そういう定義だとすると、自分はEDかもしれない、と疑いを持つ人はかなり多くなるでしょう。それらは軽度のうちに対策を講じれば、中年以降になっても重度にならず、通常のセックスライフを送ることができますが、最初の兆候の際に見過ごしてしまうと、最終的に非常に大きな問題を背負い込む危険性があります。
男がEDになる原因は4つ
「勃起障害」「勃起不全」と一言で言っても、実はその原因は大きく4つに分かれます。
- 器質性ED:血管や神経といった肉体的な部分にトラブルが起こって勃起しなくなる場合
- 心因性ED:精神的ストレスで勃起しなくなる場合
- 混合型ED:肉体的なトラブルと、精神的ストレスが混じって勃起しなくなる場合
- 薬剤性ED:ある種の薬を飲むことによって勃起しなくなる場合
です。
以下1つ1つ説明していきましょう。
1 器質性ED
これは50歳代以降発症することが多いEDです。
その主な肉体的な原因は動脈硬化です。動脈硬化は、ペニスの海綿体、つまり陰茎海綿体につながる血管が、脳が勃起しろという信号を送っても十分に拡張しないため、海綿体に十分な血流が送られず、勃起が起こらなくなる、というものです。動脈硬化は、
- 糖尿病
- 高血圧
- 高脂血症などの生活習慣病
- 喫煙や過度の飲酒の習慣
によって起こることが多いものです。さらには、
- 脳出血
- 脳腫瘍
- 脳外傷
- 脊髄損傷
- パーキンソン病
- アルツハイマー病
などの脳神経に障害が起こる病気、ペニスの海面体につながる血管や神経に傷をつけるようなケガやあるいは手術の失敗などでも器質性EDになります。
2 心因性ED
これはまさに今これを読んでおられるはずの30歳代、そしていずれは突入する40歳代という働き盛りに多いEDです。
このEDの原因は一言で言うとストレスです。ちょっとセックスに集中できないような心配事や考え事があると、勃起力が弱まるようなことがありませんか。あの現象が「病気」として発症するものです。
具体的には、精神的なストレスがあると、脳でうけた性的な刺激が、うまく神経の伝達機能に載ってペニスに伝わらなくなるので、勃起しなくなったり、途中で萎えたりするのです。
さらに、心因性EDの原因になる精神的ストレスには2つ種類があります。
1つは現実心因です。これは、日常のハードなストレスに限らず、ちょっとしたストレスでも、それが原因でEDになるというものです。
たとえば、前回のセックスでうまく勃起しなかったので今回勃起するか不安がある、彼女に「ダメね」などの言葉の暴力を投げかけられた、などのセックスに直結するストレスもそれにあたります。また、
- 結婚生活や彼女との関係がうまくいっていない
- 借金など経済的な心配事がある
- 仕事がうまくいっていない
- 仕事で失敗した
- 仕事で疲れている
などもそうです。
これらの中で、特に「緊張」によってもたらされるEDを「緊張型ED」とも言います。特に最近は若い男性を中心に増えてきているので「ヤングED」などと言われることもあります。
このEDはバイアグラ、レピドラなどのED治療薬を服用するなどの方法で改善することが多いものです。
もう1つは深層心因です。これは見た目にはストレスを持っているとは思われません。しかし、
- 幼少期に異常な性体験をした
- 性的虐待にあった
- 肉親のセックスの現場を見た
などの心の奥深いところにあるトラウマが原因で起こるEDです。
この場合は、カウンセリングを中心に治療を行いますが、改善にはかなりの困難が予想されます。
3 混合型ED
50歳代、60歳代になると、上の2つの要因の1つに限ることができず、たとえば1が2を引き起こす、あるは逆に2が潜在的にあってそれが1によって顕在化するEDがあります。それを混合型EDと言います。
4 薬剤性ED
一部の医薬品は、EDの原因になることがあります。
たとえば、
- 解熱剤、消炎鎮痛剤、抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬などの中枢神経に作用する薬
- 筋弛緩薬、麻酔薬などの末梢神経に作用する薬
- 利尿剤、降圧剤、血管拡張剤などの循環器に作用する薬
- 消化性潰瘍治療薬などの消化器に作用する薬
などです。
これがEDの原因が特定できますので、このEDが発症した場合はその医薬品を処方している医師に相談し、薬の変更、または副作用と拮抗する別のED治療薬などを処方してもらうケースが多いです。
今から始めてもちょうどいい。若い時いできるED対策とは?
このようにEDが発症する可能性は思いのほか高く、いつそれになるかわかりません。したがって若いうちから将来EDにならないようにするための対策を実行しておくことが重要です。
具体的には以下の5つを行いましょう。
1 喫煙をやめる
これはタバコを吸っている人の場合ですが、タバコのニコチンは、血管を収縮させる作用があります。それは、海綿体への血流を阻害することになり、長い期間喫煙をしているとEDの原因になります。
2 酒は適度な酒量を守って飲む
適切な量の飲酒は心身ともにリラックスさせ、副交感神経優位の状態にするので、むしろ勃起効果があります。
しかし過度の飲酒は、大量のアルコールが脳の活動を衰えさせ、「勃起しろ」という信号が送れなくなり、一時的にせよEDの症状を起こします。
3 有酸素運動の実行を心がける
若い男性は筋トレでマッチョになることや腹筋を割ることには熱心ですが有酸素運動のことは軽く見ている傾向があります。
しかし、ジョギング、ウォーキングなどの有酸素運動は血行を促進するので、海綿体への血流の増加させ、さらには男性ホルモンの分泌の促進にもつながります。筋トレも精力アップには効果はありますが、それ以上に有酸素運動を重視しましょう。
運動不足はEDの大敵です。
4 ストレスをため込まず、感じたらできるだけ早く解消する
若いころのEDの原因の半数は、現実心因のストレスです。上司や同僚との人間関係、ハードな仕事、それによる不規則な生活と不十分な睡眠時間、彼女との問題、経済的なトラブルなど、すべてがEDの原因になり得ます。
これらのストレスはなかなか逃れることは難しいですが、感じてしまったら早めに、自由な自分だけの休息時間をとる、趣味に没頭する、睡眠をしっかりとるなどをして、解消しましょう。
5 ダイエットして痩せる
アメリカで行った大規模な調査によると、肥満の指標であるBMI値が高いほど、EDが悪化するという結果が出ています。
つまり肥満とEDは非常に密接な原因と結果の関係にあるのです。これは、肥満がEDを引き起こすというよりは、肥満が糖尿病、高血圧、脂質異常症を引き起こし、生活習慣病や動脈硬化を併発して、その結果器質性EDを発症している、ということです。
ですので今BMI値が高い人は、EDを防ぐためにダイエットに取り組みましょう。適切なカロリーコントロールによる食生活の改善、筋トレと有酸素運動による基礎代謝のアップなどを行えば、EDの危険から逃れられます。
もしもEDになってしまったら
このような予防措置を講じても、勃起しにくくなるなどのEDの症状を感じたらどうするかについて最後にご紹介します。大きく分けてその方法は2つです。
1 ED治療薬や精力剤を飲む
バイアグラ、レビトラ、シアリスというようなED治療薬は非常に即効性があります。基本的には、飲めばほぼ確実に勃起します。ですので、彼女とのセックスが予定されているデートの時などには持参して、その効果が出るタイミングで飲むのがある意味1番早道です。
しかし、ED治療薬には若干の副作用もあります。また、正規に入手するためにはクリニックを受診してEDだということを訴え、処方してもらう必要があります。さらには、保険は適用されませんので、ジェネリックED治療薬にしてもらったとしてもかなり高額になります。
それを避けたかったら、海外から個人輸入でED治療薬を個人輸入する、という方法もあります。「ED治療薬比較」「最強ED治療薬」などでネットで検索すれば、個人輸入を代行してくれるサイトはいくらでも見つかります。
しかし、その場合は適切な服用量を含めた、正しい飲み方を医師に指導してもらうことはできません。さらには、ある調査によると、そのうちの6割は偽薬で効果がないだけではなく、ひどい副作用が出た、という話もあります。そのような健康被害があっても、誰も補償してくれません。
したがって、個人輸入でED治療薬を購入する場合は、そういうリスクも分かったうえで自己責任で行いましょう。
また、ED治療薬ほどの即効性はありませんが、精力剤を毎日飲むという方法もあります。シトルリン、アルギニンなどが多く含まれている精力剤であれば、毎日飲めば3か月くらいで効果が現れることが期待できます。
何より精力剤を飲んでいるから効くはずだという安心感が、「緊張型ED」には改善の効果があるでしょう。
2 男性ホルモンを増やす行動をとる
EDの根幹の問題の1つは男性ホルモンの分泌が少なくなってしまったことです。ですので、その分泌を促進するために以下のような行動を心がけましょう。
- ダイエットをして肥満を解消する。逆に痩せすぎの場合も適正体重に増えるように努力する
- 筋トレをする。筋肉が肥大化すると男性ホルモンの分泌が促されます。
- 楽しいことをする。脳にポジティブな刺激を与えると男性ホルモンが増える、という研究があります。ですので、趣味に没頭する、楽しみな計画を立てる、などの自分がワクワクすることを実行しましょう。
- 質の良い睡眠を十分にとる。睡眠不足、浅い眠り、何度も夜中に目が覚める、などは、翌朝仮に眠くはなくても、身体の中ではダメージがあり、男性ホルモンの分泌が減ります。ですので、基本は早寝早起き、寝る前に脳に刺激を与えない、ということをして質の良い睡眠をとりましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今はセックスに自信があると言っても、誰にでも、突然EDは襲い掛かる可能性があります。今のうちから、その要因をできるだけ排除し、いつまでも充実したセックスライフを送れるようにしましょう。