日本の人口があと何十年かで1億人を割ってしまう、という懸念されるニュースがありましたが、その表面的な原因には、1組当たりの夫婦の出生率が低下してきたことと、何より若者の未婚率が非常に高くなってきたことが挙げられます。
特に未婚率の上昇は顕著で、2010年のデータでは20代以上のうち57%が未婚と25年前に比べて22%も増えています。
この原因にも色々と考えられますが、1つは「そもそも結婚願望がない」という若者が増えてきたことがあります。
このうち20代、30代の男性はある意味、オタク化、草食化などから結婚願望が低下していることはある程度想像がつきますが、実は女性も結婚願望がない人が増えています。
明治安田生活福祉研究所の調査によれば、結婚願望が「ある」という女性は20代で59%と3年前に比べて23%の低下、30代の女性で46%で15%低下しています。
この記事をお読みの男性の中でも、自分はそろそろ結婚したいと考えているのに彼女が全くその気になってくれない、と悩んでいる方がいるでしょう。
そこでここでは、そういう女性の気持ちを結婚に向かわせるにはどうしたらよいのか、そしてその前提として結婚願望がない女性はどのような心理状態なのか、という点についてご説明していきます。
結婚願望がない女性の心理を学ぼう
まず最初に結婚願望がない女性は、どういう心理状態なのか、ということから学んでいきましょう。それにはおおむね、以下のようなことが考えられます。
恋愛そのものに後ろ向き
まず1つが結婚の前段階である恋愛についてさえ後ろ向きな気持ちを持っている女性が多いことです。
それは単純に面倒くさいと思っている場合と、過去のあまり幸せでない恋愛経験がトラウマになっている場合があります。
いずれにしても、その結果長い期間、恋愛から遠ざかって過ごしているために、1人で生きることに慣れてしまっているので、今更、頻繁に連絡したり、デートなどのいろいろな段取りを踏んだり、相手の気持ちを推測したり、あるいは浮気を心配したり、ということが伴う恋愛が面倒くさく興味が持てないのです。
結婚に価値や意味を感じていない
また恋愛はしていても、結婚という法的な手続きをとること自体に価値や意味を感じていない場合もあります。
特に、子供のころから男性と平等の立場で受験をし、就職をし、仕事をしている女性は、女性としてというよりも1人の人間としての自立した気持ちを持っていますので、パートナーは必要だと思っていても、子供が欲しくなくて経済的に自立していれば、特に結婚する必要を感じないのです。
仕事が忙しい、仕事に生きがいを感じている
あるいは、人生の大半を仕事に費やし、それを自分で良しと思っている女性にも結婚願望は希薄です。
特に、子供のころから自分の将来像を「お嫁さん」ではなく、何らかの働く女性として持っていた人は、それがどのような形にしても現在実現している場合、仕事に魅力を感じているので、結婚によって仕事に使える時間が減ることを嫌うのです。
「仕事と家庭の両立」という言葉は簡単ですが、実際に結婚すれば、今まで仕事に使えていた時間を家庭のために割くことになります。結婚相手の男性に理解があっても、100%仕事に自分の時間を使う、ということはできません。
また周囲にも、最初は男性が仕事をすることを認めたうえで結婚しても、実際の生活に入ると「結婚したら女性は家庭優先でいてほしい」という夫からの有言あるいは無言の要望で、しぶしぶ自分の仕事をセーブする女性がたくさんいるのを見ていることもあるでしょう。
趣味にかける時間とお金を減らしたくない
最近の若い女性は多趣味です。仕事一辺倒ではなくても、その分プライベートが非常に充実している人も少なくありません。
そういう女性は自分の給料を趣味や自分磨きに相当額をつぎ込んでいます。独身であれば、恋人がいても、自分の給料をどう使おうと勝手ですが、結婚した場合はそういうことはできません。
共働き夫婦の場合は、生活費や住居費をお互いに折半して出し合い、残りは小遣いとして自由に使う、ということが多いですが、それでも独身時代よりはその額は減ります。
将来的なことを考えれば、マイホームの購入費用を貯金することも必要ですし、さらに出産して子どもができればもっと趣味に使える時間もお金もなくなります。
その状況が想像がつくので、結婚したい気持ちにならないのです。
1人の自由な時間を奪われたくない
独身時代を長く続けいてると、なんでも自分自身で決められる生活に慣れてきます。
それが精神的に負担な人は結婚願望につながりますが、逆にそのような自分の判断や気持ちのあり方ですべてを進められることが当たり前であり、気持ちよくなっていると、どのように親しい人であれ、所詮は他人のその人に行動などを合わせることが難しくなります。
基本的には、遊びたい時に遊び、仕事をし、食べたいものを食べたい、そして誰の目も気にせずにだらんとした時間を過ごしたい、という気持ちなのです。
親戚づきあいが面倒、義両親になる人が苦手
結婚は夫婦だけの問題ではなく、相手の両親、相手の親戚などしがらみが増えることでもあります。できるだけそのような付き合いから避けようと思っていても、独身であればパスできた行事などにも参加しなければならなくなります。
特に、恋人がいたとしても、相手の両親と会ったりその話を聞いていたりしたときに「この人たちとは合わない」と少しでも思ってしまうと、仮に結婚願望があったとしても、このわずらわしさを乗り越えるだけの気持ち的な盛り上がりが出ないのです。
結婚願望がない女性をその気にさせる4つの方法
では、自分が結婚したいのに、彼女にその願望がない場合、どのようにすればその気持ちを翻らせ、結婚する気にさせることがきるのでしょうか。
ここではその基本的な方法を4つご紹介します。
1 週末同棲から事実婚に持ち込む
はっきり言ってしまうと、結婚を含め新しい環境というものは体験してみなければ、その欠点もそして何より長所もわかりません。
これに対して、結婚願望がない女性の半数はある意味「食わず嫌い」で結婚をしたくないと思っているのです。ですので、1番結婚についてポジティブな気持ちを持ってもらう方法として早いのは、疑似的な結婚生活を送って、その中で良さを見つけてもらうように仕向けることです。
具体的には同棲です。
しかし、いきなり同棲しようと言っても、相手は躊躇したり、何より2人暮らしにネガティブな気持ちを持っていたら同意してくれませんから、まずは土曜日の夜にどちらかの部屋に泊まって週末を一緒に過ごし、平日は今まで通りに暮らすという週末同棲から提案してみましょう。
それであれば、結婚願望がないとはいえ、彼氏とできるだけ一緒にいたいと思うのが普通ですから受けてくれる確率は高いです。
そしてその中で、彼氏の方が努力して彼女に「一緒にいることの楽しさ、便利さ」を感じさせれば、気持ちが結婚に対してポジティブな方向に向かう可能性が高まります。そうすれば週末同棲から、完全同棲に移り、そして結婚という流れができるでしょう。
もしも、制度としての結婚に対してネガティブであるならば「事実婚」にして、家事の分担や生活費の折半などをしてみて、実際に疑似結婚を体験してもらえばいいでしょう。
2 相手の願望がない本質的な理由を探る
またなぜ彼女が結婚に対して前向きではないのか、ということの根幹の理由を探ることも重要です。
それが単純に、自分の時間やお小遣いを減らしたくないということであれば、それがクリアできる結婚後の生活に仕方を提案すれば心は動くはずです。
しかし問題は、たとえば子供のころに両親に愛されず、家庭というものに願望よりも嫌悪や恐怖を感じているなど、深層心理に理由がある場合です。それをほぐすためにはかなりの時間と努力が必要です。
しかし、その根本原因が分かっている分、分からないでやみくもにプロポーズするよりも対策は立てやすいでしょう。
3 結婚している友人、先輩の家に一緒に遊びに行く
また実際の結婚生活の良さを感じてもらうために、すでに結婚している友達や先輩夫婦の家庭に2人で遊びに行くのもよいでしょう。
彼氏がいろいろと言葉を費やして説得するよりも、「サンプル」を見た方がその良さがすぐにわかるはずです。
できれば、遊びに行く前には、その友人や先輩に状況を相談し、押しつけがましくない範囲で、結婚の良さを彼らの口から伝えてもらうように打ち合わせておくことも重要です。
4 2人が一緒に生活する時のルールを提案する
女性の結婚に対するネガティブな感情が、仕事、時間、お金、あるいは行動パターンなどの問題だと明確な場合は、その問題をクリアする生活方法を具体的に提案してみましょう。
その1番大きいものは、「仕事はそのまま続けてもらえればOK」というようなことでしょうが、それに合わせて、たとえば「財布は別、週に1回は外食、週末のうち1日は別行動」などの提案が効力を発揮するでしょう。
本当にそこまでして結婚したい相手?
ただ、以上のような方法は男性の側にかなり負担がかかります。努力も必要です。そして、仮にそれがうまくいって結婚したとしても、この「お願いして結婚してもらった」という力関係は、結婚後も続いて、何かのたびに「結婚してやった」的な態度をとられる可能性もあります。
そこまでリスクを背負って、その女性と結婚する必要があるのか、ということも併せて考えたほうがよいでしょう。具体的には、以下の点で自分の心に問いかけてみてください。
自分がなぜ結婚したいのかをよく見直そう
まず第1には、自分自身の「結婚願望」を見直してみましょう。
結婚したい理由は、相手の女性のことを愛して生涯一緒にいたいと思っているからでしょうか。あるいは、子供が欲しい、先輩の夫婦生活が幸せそう、など「結婚生活」への憧れなのでしょうか。さらには、1人暮らしがさびしい、仕事から帰宅して家事をするのが大変、という自分の問題解決のためなのでしょうか。
それによって、その解決方法が結婚ではなくてもよい場合もありますし、むしろ自分本位の理由で結婚してしまった場合は「こんなはずじゃなかった」と思うことの方が多いです。
ですので、相手の結婚願望のなさを翻らせる前に、その点についてよく考えてみましょう。
価値観の相違はお互いの努力がないと埋まらない
また少し書きましたが、一般的な結婚生活には「価値観の違う2人の大人が行う共同生活」といった側面があることは否定できません。
ですので、その生活をうまく進めて行くためには、2人の価値観をすり合わせる必要がありますが、その際に、男性側が懇願して結婚してしまっていると男性が一方的に譲歩して、相手の価値観に合わせることになってしまうケースが多いです。
あるいは、女性としては相手が自分に合わせてくれるというので結婚したはずなのに、結婚したとたんそれを反故にされて自分の価値観を変えることを迫られた場合も、深い不信感を抱きます。
その両方の場合とも、結婚生活の破たんの原因になります。
ですので、いかにこちらが結婚したい、という気持ちであっても、相手にお互いに譲り合って価値観をすり合わせる意思があるかどうかはしっかり確認することをおすすめします。
ほかの女性ではだめなのか
あるいは究極の振り返りになりますが、「結婚はその女性でなければだめなのか」ということです。
単純に自分が結婚適齢期で、そのタイミングで付き合っているのが今の彼女、というだけで決めてしまっていいのかは、1度考えてもよい点です。
もちろん、結婚はある種のタイミングの問題です。それを逃したために生涯独身になってしまったというケースもあるので、タイミングも重要ですが、1歩引いて考えてみた場合、その女性との結婚があまりにハードルが高く、あるいは結婚後の大変さが見えているようであれば、次のチャンスを待つことも1つの決断でしょう。
そこはじっくりと考えることをおすすめします。
まとめ
いかがですか。
少し前であれば、若い女性はかなりの割合で結婚願望を持ち、女性がいかに男性を結婚する気にさせるのか、ということが女性誌などのテーマになっていましたが、今やそれが逆転した現象も生まれています。
自分がそのような状況であるならば、ここでご説明したことをじっくりと振り返って、できるだけよい決断をし、そしてやはり結婚したいと思ったら、うまく彼女の気持ちを結婚に向けられるように努力しましょう。